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「まわしよみ新聞」やってみた

意見を出し合い「まわしよみ新聞」を作る参加者たち=金沢市旭町の放課後kitchenかぷらすで

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 「まわしよみ新聞」って聞いたことがありますか? 新聞を読み、注目した記事を切り抜いて仲間うちで意見交換する。切り抜きを模造紙に貼ってオリジナルの新聞に再編集するものです。これが、実におもしろいんです。今回のポプレスは、学生さんが作ってくれたまわしよみ新聞をそのまま紙面にしてしまいました。手抜きじゃない。新聞の新しい形だと信じてます! (蓮野亜耶)

金沢の学生4人が選んだトップ記事は

 五月二十一日、金沢市旭町のカフェ「放課後kitchenかぷらす」でまわしよみ新聞を制作しました。参加してくれたのは金沢大三年の山上佳歩さん(20)、同三年の浜菜々実さん(20)、同三年の新海直人さん(21)、金沢工業大二年の土田直樹さん(20)の四人。

 用意したのは北陸中日新聞、東京新聞、名古屋の中日新聞、中日スポーツ、中日こどもウイークリー。目にとまった記事や広告を切り抜いてもらいました。

 「どんな記事で相手を笑わせるかが勝負」とわたしが声を掛けると、みんなの目が一気に真剣に! 一生懸命、新聞を読んでくれるみんなの姿に涙が出そうになりました。

 ここまで四十分。全員が五つほど記事を切り抜いた後、感想の発表タイム。誰ひとり、同じ記事を切り取った人はいませんでした。社会的関心の高い事件やクスッと笑える読者投稿など「よく見つけた」といった記事が連発!

 レイアウトでも議論は白熱。最大の懸案事項は、土田さんが切り抜いた少しエッチな広告。「普通じゃつまらない」と、満場一致でトップ記事として配置。さらに、空いたスペースに記事を読んだ感想を書き込み、独自に見出しをつけていきました。

 最後に東京新聞に掲載された千葉県のローカルスター・ジャガーさんの記事の見出しを使って「ジャガー新聞」と名付けました。

 完成まで約二時間。出来上がった新聞を見た四人は、「おもしろい!」。

実際に作った新聞が…↓

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エッチな広告が支え

金沢工業大学2年 土田直樹さん

 新聞も、ちょっとエッチな広告に支えられていると思うと、おもしろい。

 星座占いの結果が4段階評価のうち、「ノーマル」「バッド」しか出ていない。この日の占いではだれもハッピーじゃないと考えたら笑える。

 値上がりしたアイスの「ガリガリ君」が米国の新聞でも取り上げられていて、ガリガリ君が世界的に有名なアイスになったと多くの人に伝えたくなった。

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20歳女性被害 心痛む

金沢大学3年 山上佳歩さん

 沖縄県で女性(20)が元米海兵隊員に殺害された事件の記事を読んで、自分と同じ年の女性が被害に遭っていて、心が痛い。

 競馬なんて興味がなかったけれど、「メロメロパンチ」「エンジェルフェイス」など変わった名前があって、名前の由来を考えるのが楽しい。

 千葉県のローカルスター・ジャガーさんのインパクトが大きくて目がそらせず、思わず切り抜いた。

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陛下と被災児童 激撮

金沢大学3年 新海直人さん

 熊本県を訪れた天皇、皇后両陛下の写真の中に、大きな口を開けた鋭い目つきの児童を見つけた。子供の表情は偶然だろうけど、優しい表情の天皇陛下とのアンバランスさが目を引いた。

 マドレーヌ好きなので、6月発売の「生マドレーヌ」が無性に気になった。

 小学5年生が作文で淡々とした文章を書いていて、「大人かよ」とつっこみたくなった。

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被爆地 長崎も注目を

金沢大学3年 浜菜々実さん

 長崎県出身のわたしは、オバマ大統領が広島県を訪問するという記事を読むと、原爆が落とされたのは広島だけじゃないと言いたくなる。広島ばかりがいつも被爆地として注目されるのが悔しい。

 三島由紀夫賞を受賞したフランス文学者の蓮實重彦さん(80)がタイプ。受賞会見で記者のどんな質問にも「申し上げられません」と回答していて、変わり者っぷりがかっこいい。

 まわしよみ新聞 4〜6人のグループに分かれて新聞を読み、それぞれが「おもしろい」と思った記事を切り抜いた後、グループ内で注目した理由などを説明して意見を交換。1枚の紙に貼って壁新聞のようにまとめ、グループ独自の新聞を作るんです。

婚活や就活 使い道多く

 まわしよみ新聞は、意外な場でも使われています。

 昨年6月に東京では、まわしよみ新聞を取り入れた婚活イベントが開かれました。4月に兵庫県西宮市で行われた創作劇のワークショップでは初対面の参加者がうち解けるきっかけとなっただけでなく、切り抜きから共通する話題をテーマに劇を作ったそうです。

 就職活動をする際に友達とやってみると、自分がどんなことに興味があるのかを知るきっかけになり、プレゼンの練習にもなるかも!? まわしよみ新聞、ポテンシャル高すぎる!

めっちゃおもろいですわ

考案者・陸奥賢さん(38)=大阪市

 「まわしよみ新聞は遊びなんですわ。どんな記事で相手を笑わせるか、カードゲームのようなものなんです」。そう話すのは大阪市でまちづくりに取り組む陸奥賢さん(38)。まわしよみ新聞の考案者だ。

 長らく、新聞を購読していなかった陸奥さんがまわしよみ新聞を生み出したのは二つの出来事がきっかけでした。

 2012年春。大阪市のとある喫茶店で、店主と客が新聞を一緒に見ながら楽しそうに話していた姿を見たこと。もう一つは、同年夏に昭和40年代の新聞のスクラップブックを見つけたこと。

 だれが、何のために作ったのか分からないスクラップを見ると、どんどん妄想が広がりました。記事を回し読みして感想を言い合えたらもっと楽しいのでは、と考えた陸奥さん。友人を誘って試しにやってみると、大盛り上がり。

 さらに、100日連続で開催したところ、じわじわとファンが増え、全国で“支局”が生まれました。ファンが独自で各地でまわしよみ新聞を楽しんでいます。

 陸奥さんは「まわしよみ新聞は思わぬ情報と出合えるし、他人と自分を深く知ることもできる。自分で考えといてこんなこと言うのはあれですが、めっちゃおもろいですわ」。

 お断り 今回のポプレスは、「瞬間Post」「Voice」「がけっぷち日誌」をお休みします。6月10日付のポプレスからまた掲載します。

 

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