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心も体も信頼関係も充実 ドッグヨガ ワンダフル

ポーズを取りつつ、右手で愛犬をなでる広橋さん。ももちゃんも目線を離さない=いずれも金沢市松村で

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 心と体を整えてくれると人気のヨガ。スポーツが苦手な人でも無理なく取り組める健康法だ。それを愛犬と一緒に楽しめる「ドッグヨガ」があるらしい。それって、イヌもポーズを取るの? 気になる教室をのぞいてみた。(担当・佐々木香理)

ポーズ取るのは人間

 思い思いのヨガウエアをまとった女性たち。ゆっくりと腕を伸ばして「英雄のポーズ」。よくあるヨガの風景に見える。いや違った。その周りを、ふさふさのしっぽがフリフリ動く。そしてピンク色の長い舌が、飼い主さんの顔をベロリ。「もぉ〜」。突然の悲鳴と笑い声が教室を包む。

 8月、金沢市松村の室内ドッグラン&カフェ「SHIPPO CAFE(シッポカフェ)」で開かれているドッグヨガ教室を訪ねた。講師はヨガインストラクターの中村可奈子さん。数年前、愛知県でドッグヨガを教える資格を取り、カフェや個人宅で指導している。

インストラクターの中村さん(左)にあいさつするダリー君

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 この日の生徒は石川県能美市の北淳子さん親子とアイリッシュセッターのダリー君(オス、5歳)、金沢市の広橋外美さんとゴールデンレトリバーのももちゃん(メス、5歳)の2組。ももちゃんは10分もしないうちにヨガマットの隅にペタリと座り、まったりモード。ダリー君は、あおむけになった北さんの上でくつろぐ貫禄ぶりだ。

 なるほど。ドッグヨガといっても、イヌがヨガをするわけではないみたい。あくまで人間のヨガだ。

お互いにリラックス

 時折、飼い主がイヌの背中をなでたり、首回りをマッサージしたり。中村さんは「飼い主とワンちゃんとのコミュニケーションツールです」と話す。体の小さい犬種だと、持ち上げるなどの動作も交ぜるが無理強いはなし。お互いにリラックスすることが目的だ。

 広橋さんは「通い始めたころは落ち着かない様子だったけど、最近はリラックスしてる感じが伝わる」と実感を語る。

ほかの飼い主さんとも仲良し

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 「しこりかしら?」「毛が抜けすぎかも」。愛犬の体に触る機会が多いほど、ささいな変化に早く気づける。体全体をなでたり、毛づやを間近で確かめたりするドッグヨガは愛犬の健康チェックにちょうどいい。ヨガ自体には人の心身のバランスを整える効果もある。

 一説には、ドッグヨガの発祥は米国。「Doga」という造語もあるようだ。2006年に設立されたドッグヨガの指導者育成にあたる団体「日本ドッグヨーガ普及協会」(横浜市)によれば、米国には愛犬にポーズをさせる教室もあるが、代表の大沼則子さんは「協会の場合はペットセラピストとともに考案した独自のやり方です」と話す。決まったスタイルはないようだ。

 北陸に話を戻そう。ドッグヨガは東京や大阪など都市圏では浸透しているが、中村さんは「北陸ではめずらしいと思う。ほかの教室は聞いたことがないです」。

イヌの交流の場にも

 さて、イヌの感想も聞きたいところ。北さんは「ヨガの日と分かると、ダリーはそわそわし始める。みんなに会えるのがうれしいみたい」と代弁。北陸では大型犬同士が触れ合う機会は少ないといい、「イヌ同士の貴重な交流の場」でもあるようだ。

 見学していて気づいた。2匹とも、お利口さん。全くほえない。記者にもフレンドリー。何より飼い主への信頼感が伝わってくる。ヨガの参加は、愛犬のしつけができていないと難しそう…。記者の険しい顔を察してか、中村さんは「ヨガを通じて信頼関係を深めることはできるはず」とアドバイスしてくれた。

 ヨガはサンスクリット語で「つなぐ」「結ぶ」の意味。ドッグヨガで、愛犬と心をつなげてみては?

 SHIPPO  CAFE 2014年1月に開店。金沢市内唯一の室内ドッグラン併設。ドッグヨガ教室は第3木曜日。カフェでは愛犬用メニューも。住所は金沢市松村2の205(電)076(254)6580

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背景にイヌの長寿化

飼い主の健康 大切だワン!

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 自身も愛犬家の中村さんは「飼い主の健康はイヌの幸せ」とも語る。ペットの世話も飼い主が元気であってこそ。ドッグヨガ人気の裏には、愛犬家ならではの健康への思いも見える。

 背景にはイヌの長寿化がある。一般社団法人ペットフード協会の調査では、国内で飼われるイヌの平均寿命は2014年で14.17歳。4年前に比べ0.3歳延びた。犬種によって異なるが、イヌの1年は人間の5〜7年。人間に置き換えれば4年で2歳ほど寿命が延びた計算になる。医療の進歩や室内飼いの増加、比較的寿命が長い小型犬の飼育数が増えたことなどが要因だという。

 その陰で目立ってきたのが、高齢犬の飼い主がいなくなるケースだ。石川県内の施設に収容されたイヌの新たな飼い主探しに取り組むボランティア団体、石川ドッグレスキュー代表の池田裕美子さんは「最近は引き取りの半数が10歳以上の高齢犬。子犬は、ほとんどいない」と話す。

 13年の動物愛護法改正で、行政による引き取りは厳格化。14年度の県内の引き取り頭数は37匹で、4年前の4分の1だったが、池田さんは「高齢犬の割合は増えた」と指摘。飼い主の高齢化や入院でイヌを手放すケースが多いという。

 ドッグレスキューは5年ほど前から、高齢犬の譲渡を手掛ける。池田さんは「行き場のないイヌを救いたい思いがあるから、大半の引き取り希望者は年齢にこだわらない」と話すが、若いイヌの方が引き取られやすい傾向は根強い。

 愛犬が晩年、路頭に迷わないために、飼い主の備えは大切。健康を維持するのも、その一つだ。

ネコヨガもあるニャン

首都圏で開かれているネコヨガ教室の風景=日本ドッグヨーガ普及協会提供

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 イヌがあるなら…と思ったネコ派のあなたへ。日本ドッグヨーガ普及協会では昨年、支部として「ネコ部」を立ち上げ。首都圏を中心にネコヨガ教室を開いている。

 保護されたネコの引き取り手を募っている「猫カフェ」で開くのが特徴。協会代表の大沼さんは「飼い主を必要とするネコの存在をより多くの人に知ってもらうため」と教室の目的を強調する。

 基本的にはネコと積極的に触れ合いはしないが、参加者の背中に乗ってきたり、一緒にマットに寝転んだりするネコもいるとか。自宅でネコを飼えないネコ好きが癒やしを求めて参加するケースも多いという。

 

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