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プロデューサー 山本大介さんに聞く パズドラの原点 高岡にあり

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 世界を魅了する大人気のスマートフォン用ゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ、※下記編注参照)の原点は、富山県高岡市にあった!? 生みの親、プロデューサー山本大介さん(36)は、子ども時代を過ごした高岡に今も愛着を抱く。そこには、勉強嫌いを変えてくれた恩師との忘れられない出会いがあった。

豊かな自然ヒントに

 −高岡ではどんな少年時代を過ごした?

 親が転勤族で、幼稚園の年長から中学2年まで過ごしました。当時は、自宅裏の広い空き地で虫を飼っていました。コオロギや小さなバッタから始まって、トノサマバッタやオオカマキリも捕まえては解き放し、繁殖も楽しんでいました。

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 特にカマキリは何個も卵を産んで、繁殖を繰り返していた。気が付けば空き地にあふれるほどになっていて、衝撃を受けましたね。この経験は、パズドラで言えば「パワーアップ合成」(※)のヒントになったかもしれません。

 高岡市能町小学校4〜6年生のときに、担任をしてくれた吉田篤史先生と出会いました。先生の理科の授業は、教科書を使わず、実験や虫捕りを体験させてくれた。この授業で理科が好きになり、勉強の大切さも知ることができました。

 もともと勉強嫌いでゲームばかりしていたので、吉田先生に出会えてなかったら働く意欲も持てないまま、大人になっていたと思います。そしたら今の仕事をしていなかったかもしれませんね。そのくらいの影響を受けた恩師です。

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地元キャラ 念願だった

 −パズドラで高岡市とコラボ(※)した。なぜ?

 単純に自分の出身地で、面白そうだと思ったからです。ブリやシロエビなど富山の名産品もモンスターにした。なかでも氷見うどんは、讃岐、稲庭に続くメジャーなうどんにしたくて登場させました(※)。遊び心がほとんどですが、最終的には地元をもっと盛り上げたいという思いがある。10年ほどしかいなくても、地元愛はあるんです。

 −今年5月に高岡でファンイベントを開いた。「凱旋(がいせん)」した感想は?

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 最初は感慨深さとかは感じませんでした。ですが、ステージに上がると、会場からいつもより大きな声援をいただけた。地元の優しさを感じ、本当に高岡で開催できて良かったと思っています。

 −今後の目標は?

 ディズニーランドみたいに、自分が作ったキャラクターでテーマパークを造るのが夢。デジタルの世界だけだと、永久には残らない。世界中に造れたらなと。まあ、テーマパークはお金もかかって運営も大変らしいし、黒字赤字とか考えたくないんですけどね。

 やまもと・だいすけ 1978年、東京生まれ。ガンホー・オンライン・エンターテイメント(東京)のプロデューサー。高校卒業後、ゲーム製作者の団体「ブレインドック」などを経て、2011年にガンホー社に入社。その3日後、急きょ思い付いたパズドラの企画書を提案し、翌年の配信開始にこぎ着けた。

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失敗恐れず実験 成長の糧に

高岡市能町小時代の恩師 吉田篤史さん(61)

 この人がいなければ、パズドラは生まれなかったかもしれない!山本さんの恩師吉田篤史さん(61)。2人はどんな師弟関係だったのだろう。今年3月、能町小の教諭を最後に定年退職をした吉田さんを捜し当て、直撃取材した。

 「山本君はとてもひょうきんで、目立ちたがり屋。授業でも積極的に発言して、クラスを笑わせてくれる存在でした」。記憶に残る生徒だったせいか、吉田さんの口からは25年も前の思い出話が次々とあふれ出した。

高岡市とのコラボダンジョンのゲーム画面

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 「問題用紙に、漫画の吹き出し付きで『やったね、楽勝!』とか書き込んでいてね」「単元の終わりに作る科学新聞には4コマ漫画も描いて、人気がありましたよ」。当時、漫画家が夢だったという山本さんならではのエピソードが続く。

 4年生で作った文集も印象深いという。他の児童たちがいろいろな授業の感想を幅広く書いていた中で、「彼は理科の実験のことばかりをまとめていた」。

 理科は吉田さんが特に力を入れていた授業だ。「間違いを恐れずに、自分の考えを話してもらいたい」と考え、教科書にとらわれず、難易度の高い実験にもあえて挑んだ。そうした積み重ねを通じ、自分で生きがいを見つけ、頑張れる子どもを育てようとしていた。

 定年から1年前の昨年3月、能町小で山本さんの講演に立ち会った。再会するのは卒業以来、初めてだ。山本さんは、児童たちに堂々とゲームクリエーターの魅力などを話していた。「私はゲームのことはよく分かりません。でも、自分の世界を確立してくれたのは分かりました」。教え子の成長をひしひしと感じ、吉田さんの胸が詰まった。

  担当・広田和也

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