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力士のお尻は美しい

白鵬 さすが横綱 漂う風格

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 世界広しといえども、これほどお尻をあらわにする格闘技は珍しい。そう大相撲の話だ。石川県穴水町出身の人気力士遠藤や横綱白鵬らのお尻には、力強さと美しさが同居する。そんなお尻を鍵に、大相撲の魅力や伝統、鍛錬のすごさを丸裸にする。(担当・福岡範行)

個性に注目

 キュッと引き締まったり、プリッと張ったり。力士のお尻は個性的。「立ち合いで突き出たお尻より、立ったときの横がくぼむ感じがいいんです」。石川県七尾市の呉服店「凛屋(りんや)」の若おかみ若林千秋さん(35)は力説する。

 高校時代は元関脇琴錦を追い掛けた、筋金入りの相撲好き。力士の美しさも大きな魅力で、お尻にも必ず目が行くという。

 好みは、脂肪の付きすぎていない、鍛え上げられたお尻。一押しは遠藤だ。「ギュッと上がった形がかっこいい」と絶賛する。

 1年半前から相撲にはまった同県穴水町の主婦(28)は、遠藤や勢のお尻に見とれる。「肌のツルッとした、清潔感があるお尻だと、好感度はかなり高いですね」と笑顔を見せた。

 ついつい目が行く力士のお尻は、相撲とは切っても切れない存在だ。インターネットで好きなお尻の写真を見せ合うファンもいる。

伝統を継承

 日本相撲協会(東京)のポスターを作る東京都港区のデザイン会社「ノア」の藤田英彦代表(60)は「力士のお尻は、勝負の流れの中で一瞬の造形美を見せる。感性に触れる美しさがあるんです」と語る。

 藤田代表は、2012年秋場所から、大相撲を象徴する一瞬を切り取った写真でポスターを作っている。初回を飾ったのは、お尻だ。組み合った力士2人の迫力あるお尻が、色鮮やかな締め込み(まわし)とコントラストを描いた。

 「採用されないかもしれないと不安もあったが、こうした芸術的な一枚を、いつか使いたかった」

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 協会の広報もポスターの出来栄えを評価。振り上げた腕の周りに降る雪のような塩や、垂直に掲げられた太刀など、一瞬の様式美を際立たせた写真が続き、昨年の春場所のポスターには再びお尻が載った=写真(日本相撲協会提供)。

 塩を握る手が中央にあり、その横にお尻が写る。力がこもり、側面がくっきりとくぼんだお尻は、勝負に挑む緊張感や孤独感を雄弁に物語っていた。

 相撲協会でポスターなどを担当する高山良枝さんは、ほほ笑んだ。「この一枚はお気に入りの一つ。これほどお尻を打ち出せるのは、大相撲だけでしょうね」

 パンツを履くモンゴル相撲と比べても、大相撲の力士の肌の露出は多い。身に着けるのは、締め込み一つ。力士規定の第1条に掲げられた大事な決まり事だ。

 このスタイルは、ふんどしを愛用した日本古来の伝統に由来する。平安時代には越中ふんどしを大きくしたようなもので相撲を取ったといい、江戸時代には現在の形に近づいた。

強さの証明

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 美尻は、倒されないための体づくりでも育つ。

 15年前から相撲のトレーニング効果を研究する白木仁・筑波大教授(58)=スポーツ医学=は「強い力士になるほど、お尻が大きくなり、上に上がっている」と解説する。

 重量級の力士を押し込むには、膝を伸ばす太ももの筋力だけでは足りず、お尻の筋肉で足の付け根を伸ばして推進力を生むことも必要。力強く、素早い立ち合いには、鍛えたお尻を効果的に使えるかが重要だ。

 四股やぶつかり稽古で中腰になることもポイント。重心の安定のために、足を開いて腰を落とすと、開脚したままスクワットするのと同じで、お尻の上部が鍛えられる。腰の近くの筋肉が大きくなるから、足もスラリと長く見える。

 白木教授は「合理的で独特な相撲の稽古を続ける結果、かっこいいお尻になる。上位陣、特に白鵬は美しい。お尻を見れば稽古量は推測できます」と話す。

 美尻が評判の遠藤は、膝から腰に向かって太ももが太くなり、その上に大きくて筋肉質なお尻が載る。

 その見事な下半身は、小学生時代からの努力の結晶だ。穴水少年相撲教室の総監督上野勝彦さん(59)は「尻が大きいがは、スポーツ選手には大事。下半身の強化に四股は重視した」と指導方針を語る。遠藤は取組の順番待ちの時間も使い、毎日、200〜300回は四股を踏んでいたという。「天性の足腰の柔らかさを、人一倍の努力で磨き上げた。今はずいぶん筋肉も厚くなった」と成長に目を細める。

 先場所、遠藤は左膝の靱帯(じんたい)を痛めたが、上野さんは前向きだ。「子どものころから『負けて強くなる』ことを知っていた。けがから立ち直った経験もある。必ず、復活してくれる」

シリ心地・・・・最高!?のクッション

 大相撲に懸賞を出してきた永谷園が昨冬に行ったキャンペーンの景品「遠藤関クッション」は、裏面の写真が人々の度肝を抜いた。立ち合い姿の遠藤のお尻が大きく写っていたからだ。

 同社広報室によると、「遠藤関らしさも、立体感もあり、クッションとして実用性も高いから」と立ち合いの写真を採用。「リアルに遠藤関をかたどった」結果、お尻を強調する形になった。

 電話やインターネットでの反響は大きく、「すごく面白い」と好意的なものばかり。担当者は「今後もユニークな取り組みで、お客さまの期待を良い意味で裏切り続けたい」と語った。

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A勢、B高安、C輝、D逸ノ城

 

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