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新しい世界の開き方 教えてください 小松サマースクール講師に聞く

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 日米の大学生らが高校生に多彩なものの考え方を伝えるセミナー「小松サマースクール」が30日から石川県小松市で初開催される。セミナーやプレイベントの講師には、個性的な人生を歩む若者もいる。悩みにとらわれず、挑戦をためらわず、自分の殻を破ってきた人たちだ。一つ、質問をぶつけてみた。新しい世界の開き方って、何ですか?

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失敗恐れず学ぼう

高木千鶴さん(34)石川県小松市在住

有限会社「Global Partner」取締役

 失敗を怖がるんじゃなくて、成功できない方法の発見だと思えばいい。もっといい方法を考え、また挑戦すればいいんです。成功者は成長者だと思います。

 日本って正しいことを言わないといけない雰囲気がありませんか。幼稚園で「スズメになりたい」と夢を言ったら、ばかにされました。それからは正しいとされることを話そうと考え、言葉を選び始めました。

【上】中国の歴史と文化を学ぶツアーの参加者たちと高木千鶴さん(前列左から2人目)=中国・南京市の中山陵で【下】日韓国際交流ツアーの参加者と高木千鶴さん(前列左から2人目)=韓国・龍仁市の韓国民俗村で

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 でも、発明は非常識から生まれる。飛行機も、鳥になりたいと夢見た人がいたからできたと思うんです。

 2001年3月から韓国や中国、米国で暮らして、日本人は夢を持っている人が少ないと感じました。自分の意見もなかなか言わない。尖閣諸島の問題などで「一般論じゃなくて、あなたの考えは」と聞かれ、気づきました。みんな違う人だから、一人一人の意見が違って当然なんだって。

 実は以前は、経済的に裕福な日本が1番で、海外に行くなら西洋だと考えていた。でも、韓国を訪ねて、考えは変わりました。時間を守る正確さは日本の方が上だけど、家族みたいに接してくれる情の温かさは韓国に習った方がいい。

 今年3月から会社経営を始め、語学講習や異文化交流ツアーに取り組んでいます。語学の勉強では、留学とかビジネス成功とか、明確な目標を掲げてもらっています。日本人にもっと夢を持ってほしいんです。

 たかぎ・ちづる 1979年、石川県小松市出身。2000年に韓国に住む妹を訪ねて日本にない価値観のすごさに触れ、01年から10年ほど韓中米3カ国で生活。韓中に行くツアーの事業化などで、草の根の異文化交流促進を目指す。

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逆立ちをしてみる

新造真人さん(19)東京都三鷹市在住

アーティスト

 逆立ちすれば、見える世界は逆になりますよ。

 高校で絵を描くことに飽きてたとき、美術部の先生が「絵を反対にしてみたら」と言ってくれたりしたのがきっかけで、今もときどき逆立ちをしています。逆立ちをしているばからしさが、しっくりきます。

 いろんな行動に意味づけをしちゃうことは多いんですが、意味づけができないこともあると思うんです。

(上)オーストラリア・シドニーで曇り空にリンゴを投げた(下)「Myface」

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 高校3年で11カ月休学し、オーストラリアに留学したとき、シドニーに行ったら曇り空でした。試しにリンゴを投げて、写真を撮ったらリンゴの赤色がいい雰囲気だった。楽しくなって、公衆電話とか街中でリンゴを置いて写真を撮ったら、現地の新聞に取材された。フェイスブックでリンゴを入れた写真を募ったら、8カ国42人がまねしてくれた。説明はしづらいけど、笑ってくれる人はいるんです。

 今年1月にイギリスに留学中の女性の友人からメールが来ました。祖父が亡くなってシクシクしてるとき、気が向いてリンゴを投げた写真を撮った。何でこんなことしてるんだろうってばからしかったけど、人に笑われて、つられて自分も笑ったそうです。

 できすぎな話ですよね。強がっただけかもしれません。でも、強がるきっかけになったのなら、ちょっとは役に立ったのかな。意味が後から付いてくることもあるんだと思います。

 しんぞう・まこと 1994年、東京都三鷹市出身。自分を認められず、生きる意味を見失いかける中、都立西高校3年生の1月から11カ月、オーストラリアに留学した。高校は今年3月に卒業。創作活動のほか、東北のゲストハウスと若者をつなぐビジネスにも取り組む。

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顔見知りに声掛け

清輔夏輝さん(29)東京都新宿区在住

NPO法人「チャリティーサンタ」代表

 いつもの生活で顔は見てるけど、話したことない人たちと話すだけで、世界は広がりますよ。日々の出会いが人生をつくってる。当たり前の話ですけどね。

 それに気づいたのは、ヒッチハイクをしたからです。19歳でヒッチハイクを始めて、四国を一周した。最初に「乗ってくか」って言ってくれたおっちゃんは、フェリーで隣にいた人でした。おっちゃんの行き先は南。自分は北回りを考えてたから逆だったけど、南回りに変えました。

【上】子どもたちのそばを歩くサンタクロース姿の清輔さん=2013年12月、東京都内で【下】ヒッチハイクで出会った人たち

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 2週間ぐらいで30台に乗せてもらって、約100人と出会った。それを振り返ったときに思ったんです。もし北回りだったら、その100人とは出会ってない。ご縁ってすごいって。

 4年前のサッカーワールドカップで、テレビがないからアパートの隣の部屋を突然訪ねて、同世代の男性と一緒に見たら、結婚の話をするほど仲良くなれた。ピンとこない誘いでも断らずに通ったら、意外な人が大切な友人になった。中学までは赤面症だったんですけどね。

 サンタクロース姿のメンバーが各家庭にプレゼントを届ける事業、チャリティーサンタを始めたのも、一人旅で本当はみんな優しい気持ちを持っていると知ったのが原点です。その優しさを出す場面はなかなかないけど、サンタなら見知らぬ人にいいことができる。

 人に喜んでもらうのって、楽しいですよ。

 きよすけ・なつき 1984年、福岡県飯塚市出身。高専生だった19歳にヒッチハイクを始め、24歳までに3万キロ以上を移動した。2008年にはチャリティーサンタ事業を始め、14年4月にNPO法人化。延べ6418人がサンタを体験した。

全国の高校生と日米の学生交流

小松で30日〜4日

 小松サマースクール 30日〜8月4日、石川県小松市の里山自然学校大杉みどりの里に全国の高校生45人が泊まり込み、日米の大学生ら40人と交流する。

 地元の大学生らが実行委員会を組織し、東京都や長野県であったサマースクールの主催者の協力を受けて、初めて開催。米国学生が英語で行う授業や、さまざまな分野で活躍する大人たちの講義などを通じて、高校生が自分を見つめ直し、進路の多様さを知ることを目指す。

 今回の高校生の募集は終了済み。実行委は、来年以降の継続を考えている。

 (担当・福岡範行)

 

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