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popress【Attention!】注目のトレンドから地元の話題まで
 

自分の限界 美しくKO 草食記者が女性ボクサーに挑む

激しいトレーニングに汗を流す朝里さん=いずれも石川県小松市南浅井町のゴールデンボーイ・ジムで

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威圧感と笑顔に“敗戦”

 拳と拳で激しく打ち合い、時に流血も伴うボクシング。男性のスポーツと長年みなされてきたが、自分を厳しく追い込む競技性などにひかれ、のめり込む女性ボクサーたちがいる。石川県能美市の朝里紘乃(あさざとひろの)さん(25)もその一人。強さを求める女心を知りたくて、草食男子の記者(24)がリングに上がり、体当たりで取材してきた。

 顔にぴったりと寄せて構えられたグローブの間から、鋭い眼光がのぞく。右に左に後ろにと、軽快なフットワークで間合いを詰めてくる。拳が迫ってきて、思わず目をつぶってしまった。

 記者が“対戦”する朝里さんは、全国規模の女性スパーリング大会「なでしこファイト」の最軽量級のチャンピオン。歯科衛生士として働きながら小松市南浅井町のボクシングジム「ゴールデンボーイ・ジム」に週6回通う。

 身長154センチ、体重43キロと小柄だが、30キロもあるサンドバッグを左右に大きく揺らし、ミット打ちでは、しなやかに全身を使ったパンチを打ち込む。

谷記者(左)と打ち合う朝里さん

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 鍛えあげられた腹筋や広背筋。ジム代表の金子謹也さん(43)は「男性のジム生でも持ち上げるのが難しい器具でトレーニングをしている成果」と、強さの秘密を明かす。

 ボクシングを始めるまで、本格的なスポーツの経験はなかった。「ストイックに自分を追い込む性格」と自己を分析。シャドーボクシングやサンドバッグ打ちで、黙々と自分の限界に挑戦できる競技性に魅力を感じている。

 厳しい練習の支えは、ジムの家族的な雰囲気。試合での声援はもちろん、練習中も一緒に頑張る仲間の姿に「自分の気持ちも盛り上がる」と感謝する。

 筋肉がつくことに、抵抗は全くない。「しっかり筋肉がついている方が健康的で美しいから」と言い切る。憧れはしなやかで引き締まった体の女優、アンジェリーナ・ジョリーやミラ・ジョボビッチ。

 そんな朝里さんにスパーリングをお願いし、無謀にも反撃しようと記者が放ったパンチは難なくガード。時に打つ手を読み切られ、拳を伸ばしきる前に朝里さんの拳ではじかれる。焦って無駄なフットワークや手数が増え、腕や足に疲労がたまるばかり。

疲労で顔がゆがむ谷記者

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 「どこへ動いても逃げ切れない」。朝里さんから漂う威圧感で、最初に立った時は広く感じたリングが、終盤は狭く感じられた。そんな記者の折れかけた気持ちを察したように、終了のブザーが響いた。

 「大丈夫ですか」と疲れ果てた記者を気遣う朝里さん。厳しく練習に打ち込む心の強さがあるからこそ、人を思いやる余裕を持てるのだろうか。優しい笑顔に完全にノックアウトされた。

手と足だけ「達成感」に魅了

ボルダリングも人気

 手足の力だけで高い壁を登るボルダリングも、女性に人気だ。金沢市芳斉のジム「カナザワクライミングウォール」でも最近、女性の利用者が増えているという。

 大小の石ころをつかむ指先と足先に神経を集中させ、高さ5メートルもの人工壁を命綱なしで登っていた石川県野々市市の大学生、形屋藍香さん(19)は昨年11月から週2回ジムに通う。「登り終えて、下りた時の達成感」に魅了された。

 当初は全身が筋肉痛になったり、石ころをつかみ損ねて何度も床に落ちたり。だから、ずっと登れなかったコースの頂上に初めて立てた時は、自分の成長がうれしかった。

 今では落ちることにも慣れ、1日に登る回数も2、3本が限界だったのが、10本以上に。「自分の限界まで挑戦したい」と話す。

 担当・谷大平 ※次回は14日付Work&Life。英国発祥の「ギャップイヤー」にならい、休学してさまざまな経験を積んだ学生の試みを取り上げます。

 

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