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popress【Attention!】注目のトレンドから地元の話題まで
 

野山駆ける楽しみ トレラン 自然に笑顔

疲れていても笑顔は忘れない=いずれも愛知県新城市で

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 「トレイルランニング」をご存じだろうか。野山を駆けるスポーツで、ランニングブームもあって人気が高まっている。山を走る、ねえ…。「歩いて登るのさえキツイのに、走るなんて」との声が聞こえてきそう。ごもっとも。山を走って一体何が楽しいのか。3月中旬、愛知県内で開かれた大会をのぞいてみた。(担当・日下部弘太)

眺めの良い尾根道を行く

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 遠くの山が陽光に輝いて、朝の涼しい空気を一層さわやかに感じさせる。午前8時。スタートの合図とともに、640人が次々に走りだす。山道を32キロにわたって巡り、戻ってくるレースが始まった。

 3月16、17日、愛知県新城市の県民の森周辺。市と神奈川県のスポーツイベント会社が催した大会は、今年で6回目。16日は11キロ、17日は32キロのコースで、計1300人が走った。30〜40代を中心に20代も多く、特に11キロは初めての人が目立った。

 スタート地点は標高134メートル。32キロのコースは300メートルほどの上り下りを2度繰り返し、中盤には標高900メートルまで上る。しばらく高原を走り、ラスト6キロで700メートル下ってスタートに戻る。

岩場を駆け下りるランナー

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上位は平均時速8キロ

 トップ選手は4時間を切るから、平均時速は8キロ以上。運動をしていない人には平地でも難しい数字だろう。休憩所で水をあおり、再び駆けだしたと思うと一瞬の後には見えなくなる。下りはもちろん、上りも走り続けるという恐ろしい人種だ。

一休みだって

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「山歩き+α」が大半

 ただ、そうした驚異的ランナーは一握りで、多くは「山歩き+α」の人たち。完走したうち半数を超える320人が6〜7時間台で、130人は8時間以上かかった。上りは普通の山登りと同じように歩いて、平らな場所や下りでジョギング程度に走るイメージだ。

 途中には滝や岩場、見晴らしの良い尾根道もあり、景色の変化が選手に力を与える。上りの足取りは重いものの、カメラに気付くとポーズしてにっこり。休憩所のスタッフとも「まだそんなにあるの〜」と談笑しながら歩を進める。

遠方からの参加者も

 少数ながら、わざわざ北陸から参加した人も。上位を目指すというより、山を走る体験自体が楽しいらしい。

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 金沢市の会社員、坂本さちこさん(37)は30歳を過ぎてマラソンに挑戦するまで全く運動していなかったという。マラソンをきっかけに山登りを始め、5年前からトレランも。「一生懸命走らなくていいところがいい」

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 富山市の看護師木村歩さん(34)は「何回出ても長いです」と苦笑いしつつ、「つらいけど達成感がある。自然の中にいるのも好き」。昨年は160キロのレースも完走したとか。

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 石川県加賀市の会社員上野耕平さん(21)は11キロに出場。初トレランを笑顔で走りきり、「ハマっちゃいました」。途中で別の参加者と仲良くなり、お互いに写真を撮りながら下りてきた。山ならではのふれ合いに「もっと長い距離も出たい」と声を弾ませていた。

記者も11キロ初体験

そよ風 疲れも心地よく

 記者も11キロでトレランを初体験してみた。前半は上りの連続で、歩いても息が切れる。踏ん張って1時間以上がたち、遠くから「8キロ」とスタッフの声が。うれしくなって近づくと、再び聞こえたのは「4.8キロ」。心が折れかけた。

 最後は逆に急な下りが続き、ふくらはぎがつりそうになりながらゴール。それでも、しばらくすると疲れが心地よい。そよ風に癒やされるうち、「もっと長い距離もいけるかも」と根拠のない自信すら生まれていた。

トレイルランニング用のバッグやシューズ

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北陸でも大会少しずつ

運営者 「地元の魅力再発見を」

 トレイルランニングの大会は全国で次々に生まれ、地域おこしにもつながっている。北陸ではまだ少ないが、昨年秋、福井県若狭町と小浜市で「若狭路(わかさじ)トレイルラン」が始まった。

 企画したのは若狭町で旅館を営む田辺一彦さん(42)。「海と湖の自然を生かし、地元の人にも魅力を再発見してもらいたかった」。関西からを含めて300人が出場した。今年は9月末にあり、今月25日に受け付けを開始。600人を目標にしている。

 富山市の立山山麓スキー場では毎年6月、運営会社が「アドベンチャーマラソン」の名前で、近くの山まで往復する12キロの大会を催している。あまり知られておらず、参加者は市内が中心。運営側は「もっと来てほしい」と願う。

 大会を開くには、コースをどうするかが課題になる。プロランナーでコース設計も手掛ける鏑木毅さん(44)=東京都町田市=は、「むしろ有名じゃない山、やぶ山でいい。コースは無限にある」と助言する。「ある程度全国のいろんな大会に出ていて、目の肥えている人と一緒に山を歩いたらいい」

 田辺さんはこれを実践した。トレラン好きの京都の知人に来てもらい、使われなくなった昔の道を切り開いた。「今後はトレッキングなどでも活用したい」と話す。

 ※次回は5月1日付Love&Sex。恋愛関係に依存したり、性的行動を抑えられなかったりする「性依存症」を取り上げます。

 

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