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popress【Attention!】注目のトレンドから地元の話題まで
 

ペダルこいで 風に乗って 金沢の街 サイクリング体験

(1)スタート地点、卯辰山公園にある記念碑 (2)卯辰山から県庁方面を望む (3)ひがし茶屋街は観光客でいっぱい (4)愛用の自転車に乗り犀川河川敷を走る山田記者

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 健康志向やエコ意識の高まりで人気を集める自転車。近ごろは災害時の足としても注目されているが、その魅力は風を切って走ることだろう。寒い冬もやっと終わり、自転車で出掛けるには今が絶好の季節。サイクリング初心者の記者、山田浩司(28)が愛車に乗り、金沢の街を駆けてみた。(担当・山田浩司)

 今月7日、午後3時すぎ。記者は金沢市街地を望む卯辰山の山頂近くにいた。さっきまで晴れていた空には雲が立ち込め、季節外れの雪もちらついている。春の陽気に誘われてサイクリング…のはずが、この日の金沢の最低気温は0.7度。日取りを間違えた感は否めないが、今さら仕方ない。意を決してペダルを踏み込んだ。

自分で行き先決定

 春になったら自転車に乗ってみるか−。寒かった冬の間、ひそかにそんなことを考えていた。震災後は通勤通学で乗る人も増えているらしいし、スポーツとして楽しむ人も多いと聞く。本格的ではなくても、「手始めに金沢の街を走ってみたい」ともくろんでいた。

 とはいえ、自転車は人並みに乗るくらいで何の知識もない。愛車は高校1年の時に買った年代物のマウンテンバイクだけ。アドバイスを求めて自転車店「MODEL−T」(金沢市片町)を訪ねると、中島昭彦店長が「初めての方は、とにかく走ってみればいいんです」と教えてくれた。

 スポーツ用の自転車があれば、距離やコースは自由に設定してかまわないという。ノウハウのない記者には心強い言葉だ。地図とにらめっこし、山をスタートしてまちなかを抜け、海に至るコースを走ることにした。

眺望に気分上がる

 寒風吹きすさぶ卯辰山をたち、うねる山道を滑るように下る。標高140メートルほどとはいえ、視界の開けた場所に出ると、遠く県庁や金沢駅前のビル群を見渡せる。走ると身震いするほど寒いが、抜群の眺めになんだか気分も乗ってきた。

(5)健民海浜公園でゴール。夕日が傾き始めた

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 卯辰山を下りて浅野川を渡る手前で、ひがし茶屋街に寄ってみた。週末とあって観光客でいっぱい。車移動ではすぐ通り過ぎてしまう風景も、自転車だとぐっと身近に感じる。カメラを手にしていたからか、大阪から来たというおばさま方に写真撮影を頼まれた。「寒いですねえ」と言いながらも、情緒漂うまち並みに満足げだ。

 金沢城と兼六園の間を縫うお堀通り、市役所前の百万石通りを抜け、中心市街地へ。歩道は大勢の人が行き交い、車道は車が渋滞していて、自転車の走れる余地は少ない。近ごろは各地で通行帯の整備も進むが、自転車に乗りやすい街づくりはまだまだと感じる。

快適な専用コース

 犀川神社(中央通町)近くから堤防を下り、犀川沿いに設けられた8キロのサイクリングコースに入った。信号もなく快適で、スピードもぐんぐん上がる。周りはジョギングする人、犬を散歩させる人、芝生でくつろぐ人の姿も。文豪・室生犀星が「うつくしき川は流れたり…」と詠んだ川のほとりで、市民が思い思いに憩いの時間を過ごしている。

 スタートから1時間余り、次第に息が切れてきた。川面をわたる冷たい風がほおに気持ち良い。そのうち潮のにおいが漂い、海鳥の鳴き声も聞こえてきた。もうひと踏ん張り。ペダルをこぐ足に力が入る。だんだんと川幅が広くなり、夕日に染まる金沢港に到達した。

 時刻は午後5時半ごろ。両足は心地よく疲れ、首筋に汗がにじむ。「また走りたい」。わずか2時間の旅だったが、心身ともに実りある道のりだった。

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目的に合うタイプ選んで

自転車店「MODEL−T」(金沢市片町)

中島昭彦店長

 自転車の乗り方は千差万別で、きちんと交通規則を守れば決まったルールはないんです。写真が好きな人はカメラを携えていろんな場所で撮影を楽しんだり、食べるのが好きな人はおいしいお店巡りをしたり。楽しみ方は人それぞれです。

 ポイントは目的に合った自転車を選ぶこと。ジョギングにはジョギング用の靴をはくし、スキーのときにはスキー靴をはきますよね。自転車も同じ。サイズも重要で、体に合っていない自転車に乗ると操作性が悪いし、体に負担もかかって快適に乗れません。

 服装や安全装備も重要。天候や気温などをよく考えて選んで。夜に乗るならライトが必要だし、ヘルメットや手袋などもあると体を守るのに役立ちます。

 代表的な自転車のタイプを挙げると、長距離を走るためのロードバイク=写真(左)、山道ならマウンテンバイク、まちなかを走るのに適したクロスバイク=同(中)=などがあります。最近はタイヤの小さな「ミニベロ」=同(右)=と呼ばれる自転車も若い人などに人気ですね。

 

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