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popress【Attention!】注目のトレンドから地元の話題まで
 

ほろ酔い談義 飲み会は、今

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 「今どきの若い連中は飲みに出ない」。近ごろ、世のお父さま方からこんな嘆きを聞くことがある。職場の飲み会に参加しない若い社員への不満も耳にするが、本当に若者は酒を飲まなくなったのだろうか。歓迎会や花見など職場の宴会も増えるこの季節。お酒大好き記者の松本浩司(27)が、同世代を酒場に誘い出し、彼らの本音を探ってみた。

若者は酒を飲まなくなったのか−

 お酒に対する若い世代の意識を聞き出すべく、松本が声を掛けたのは、ともに金沢市の会社員吉田綾華さん(24)と螻川内(けらかわち)勉さん(24)。同市香林坊の小料理屋「うれし野」に集まり、ママの城野淑枝さんを交えながら、ほろ酔い気分で飲み会談議に花を咲かせた。

「とりあえずビール」今は昔?

松本(松) 今日はよく来てくださいました。まあ乾杯しましょう。私はとりあえずビールで。皆さんは?

吉田(吉) あ、梅酒はありますか。

ママ 甘いお酒はないのよ。ビールか日本酒か、焼酎か。

吉 じゃあビールで大丈夫です。

螻川内(螻) 僕もビールで。

全員 では、乾杯!

【左】よしだ・あやか 金沢市出身、在住の社会人3年目。「一人飲みもしてみたいな」と話す営業職。【右】けらかわち・つとむ 大阪府出身。昨年4月から金沢で営業の仕事に就く。カウンターがある店の開拓を続ける。

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松 ところで、今はビールが嫌いな若者も多いみたいですね。

吉 私、そうです。少しなら大丈夫ですが、苦くておいしくない。好きなのは梅酒とかカクテルかな。

螻 僕もおなかが膨れるので、ビールはできれば飲まずに済ませたい。焼酎派です。

松 職場の飲み会だと、とりあえずビールを薦められない?

吉、螻 ビールは多いですが、ビールでなくても許される雰囲気はあります。

松 へえー。飲み会の雰囲気も変わってきているのかもしれないですね。ちなみに、お二人は飲む機会ってどれくらいですか。

吉 平均で週1、2回かな。お酒が好きというより、みんなで飲むのが楽しい。

螻 多くて週5回くらい。会社の人とも行くけど、1人でもカウンターのある店に結構入りますよ。

吉 すごーい。初めての店は不安。考えたこともないです。

【左】じょうの・よしえ 1965年から金沢・せせらぎ通り沿いの「うれし野」を営む。常連客から「ママ」「おかあさん」と慕われている。【右】まつもと・こうじ 報道部で石川県政を担当。昨年9月に愛知県から赴任し、連日連夜、金沢の繁華街に繰り出している。

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本当はもっと誘ってほしい?

ママ 最近は会社の人同士で飲まなくなったって、お客さんから聞くね。上司も携帯代とかにお金がかかるみたいだし、身銭を切りたくないんだね。

松 酒好きの身としては寂しい話です。

吉 確かに、上司や先輩に連れて行ってもらってもほぼ割り勘。厳しいのかな。

螻 僕もそう。昔とは違うのかなって。

ママ でも機会をつくらないと、本音を聞けないでしょう?

螻 それはすごく感じますね。飲み会はコミュニケーションが取れる絶好の機会。

吉 うんうん。本当はもっと上司や先輩と本音で語り合う場がほしい。誘ってくれたらなあと思いますね。

螻 でも、遠慮して本音をセーブする自分もいたりして…。

ママ お酒の力を借りて上司に言いたいこと言わんとね。本音、心が通じんがいね!

吉 そうですよね。盛り上がって、楽しいだけじゃなくて。仕事を熱く語ってくれる人がいたらいいですね。

松 2人とも飲み会は嫌いじゃないけど、「理想の機会がなかなかつくれない」と。

螻 そうなんですよね。ところで、松本さん、酔ってても取材できるんですか?

松 いや、もう字が読めない(笑)。もう一軒行きますか!

変わる飲酒スタイル

1杯目から酎ハイ、カクテル

 「若者が酒を飲まなくなった」といわれて久しい昨今だが、実際はどうなのか。役所の数値やメーカーのデータをひもとくと、酒との付き合い方が変化してきている現状が見えてきた。

 国税庁の統計によると、ビールや日本酒、ワインなどの酒類販売量は、1996年度をピークにゆるやかな減少傾向にあるものの、2009年度は微増している。ビールや日本酒はピーク時の半分以下に減った分、リキュールやスピリッツが増加。酎ハイやカクテルに好みが移ってきていることを示している。

 「酒類全体の消費量が激減しているわけではなく、若い世代で甘いお酒を好きな人が増えただけ。小さい時からの食生活の影響が大きいですね」。キリン食生活文化研究所(東京)の丹尾(にお)健二さんは説明する。幼少期から清涼飲料に慣れ親しんだ若者は苦いビールが苦手な人が多いという。

 終身雇用制度が崩れ、職場の人間関係が希薄になった現代。上司に勧められ、酒に慣れる機会が減ったことも関係しているようだ。「『とりあえずビール』の風潮は消え、1杯目から酎ハイを頼める雰囲気になったのでは」という。

 飲み会に対する意識も変化している。新社会人を対象にした同研究所の調査では、約9割が上司や同僚との酒の席を「必要」と回答。一方、その理由は「仕事上の悩みを解決したい」という声の割合が年々高まり、実利を求める傾向が浮かび上がっている。

「家飲み」「オンライン飲み」も

 外に出掛けるより、費用が安く済む「家飲み」派も増加。自宅でパソコンに向かい、ネットで会話(チャット)を楽しみながら飲む「オンライン飲み」も一部で広がっているとか。より自由に、マイペースで酒を楽しむ人が増えているようだ。

(担当・松本浩司、奥野斐) ※次回は14日付Love&Sex。「恋愛ゲームにハマる女子」を特集します。

 

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