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popress【Alternative】サブカルチャーなど、新聞らしからぬ?話題
 

熱中! オトナの部活動

カフェの一角を使い活動するレゴ部

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 「部活動」と言えば中高生や大学生だけのもの−。そう思いきや、近ごろは大人になっても部活にいそしんでいる人たちがいるという。街のカフェを拠点に、学生時代にはできなかった一風変わった趣味を共有する。そんな「オトナの部活」の世界をのぞいてみた。

レゴ部

制約なし 好きな形に

 豊かなバリエーションとカラフルな色彩で子どもたちに人気のおもちゃ「レゴブロック」。洗練されたデザインは大人のファンも多いが、石川県野々市町でこの夏、童心を忘れない大学院生や社会人らによって「レゴ部」が結成された。

 9月25日、第2回の活動日。拠点となっている同町のカフェ「五十川(いかがわ)堂」には、社会人や学生ら6人が集まっていた。大きな丸いテーブルの上には、さまざまな色形のブロックがいっぱい。ルールや約束事はなく、自由にパーツを取って好きな形に組み上げるだけだ。

この日作られたレゴ部の作品=石川県野々市町の五十川堂で

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 作るものはまさに十人十色。デザイナーの男性(22)は「思いついた動物を作ろうと思って」と話し、コミカルな姿のペンギンやハチなどを次々と完成させた。保育士の専門学校に通う女性(31)は人気漫画の一コマを再現していた。

 大のオトナを夢中にさせるレゴ。結成の呼び掛け人となった金沢工業大大学院2年の紺谷真悟さん(23)は「デザインはパソコン上でするのが当たり前の時代にあって、手で組み立てるのが面白い」と力説。大学院ではシステム設計工学を専攻しているが、「レゴは想像力をかき立てられる」と魅力を語る。

 立ち上がったばかりの部の悩みは、所有するブロックがまだまだ少ないこと。新入部員とともに、レゴを寄付してくれる仲間も募っているという。

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五十川堂(CAFE? IKAGAWA DO)

【住所】石川県野々市町扇が丘3の9

【電話】076(255)7240

【営業時間】午前7時〜翌午前1時(水曜のみ午後4時30分〜翌午前1時)、不定休

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K1昨年のハロウィーンパーティーで、ゾンビのようなメークを施し街を歩く部員ら=金沢市片町で(高畠さん提供)

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ゾンビ部

リアルな“傷口”追求 

 焼けただれた傷口、殴られた跡のような青アザ、服を染める赤黒い流血…。金沢市片町のカフェバー「パドル/ソーシャル」で2週間に1度、夜に開かれるゾンビ部は、特殊メークの研究が主な活動だ。部員らは医学書や実際の傷の写真を持ち寄り、独学でリアルな“けが”のつくり方を追い求めている。

 イベントにゾンビ姿で参加したり、会場の観客にメークをしてあげたりすることも。昨年のハロウィーンパーティーでは、集団で夜の片町に繰り出した。部員は現在20〜30代の会社員を中心に約10人で、半数は女性。顧問の高畠勝彦さん(37)いわく、「意外に女性の方が参加率が高く、積極的」なんだとか。

 もともと欧米のゾンビ映画が好きだった高畠さんが、個人輸入した道具でゾンビメークを施し、パーティーに参加したのが創部のきっかけ。「やってみたい」という声が相次ぎ、部として研究を進めることにした。

 「傷メークと自分の皮膚の境目が分からないぐらい、自然にできた時の達成感はたまらない」と話す部員も多い。街を歩けば、知らない人ともおどろおどろしいメークをきっかけに会話が始まる。あまりの傷の出来栄えに街行く人に心配された部員も。「人の優しさを感じられたと喜んでいました」

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K1パドル/ソーシャル(puddle social)

【住所】金沢市片町2の10の42  RENN bldg.B1F

【電話】076(223)0038

【営業時間】午後6時〜翌午前3時ごろ、年中無休

   ◇  ◇  ◇

カフェを拠点に つながる愛好家

 「オトナの部活」にとって、欠かせないのが活動場所の確保だ。レゴ部が活動する「五十川堂」は写真部や自転車部、トイカメラやクラシックカメラの愛好者が集う「トイカメラ&クラカメ部」など、多種多様な部活の拠点となっている。

 これらの部活の多くは、常連客同士の世間話が結成のきっかけ。店主の五十川員申(ひろのぶ)さん(27)は「カフェは人脈を広げる場。自然とお客さん同士がつながり、グループができている」と説明。あらかじめテーマが設けられているカルチャーセンターなどとは違い、同好の士が世代や職業の枠を超えて、ともに趣味を楽しんでいるという。

 ゾンビ部が拠点とする「パドル/ソーシャル」でも現在、ウクレレ、チクチク(手芸)、ポールダンス、美術、ミニ四駆の六つの部が活動中だ。部活は5年ほど前から始まったといい、店長の土屋一也さん(30)は「中学や高校の部活みたいなコミュニティーをもう一度持ちたくて」と創部のいきさつを説明する。

 そして今では、「地元の若い人が趣味を仕事に変えるきっかけの場」という意味合いも出てきている。「例えば若いダンス講師が、いきなり自前のスタジオを持つのは難しい」と土屋さん。「部活動で教えながらニーズをつかめば、独立の足掛かりにもなるはず」と意義を見いだしている。

 

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