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popress【Alternative】サブカルチャーなど、新聞らしからぬ?話題
 

地元こそStage 北陸のインディーズ音楽に迫る

【emi】2008年に金沢大で結成した4人組のインストゥルメンタルバンド。ハードコアやポストロックの要素も取り入れ、エモーショナルかつ独自の世界を作り上げる。http://emitheband.main.jp/top_back.htmlで全曲を無料ダウンロードできる。

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 CDの売り上げ減少など、音楽業界の不況がささやかれて久しい。少数のアーティストがランキングを独占し、好みに偏りも見られる。だが、それはあくまで商業的な成功を求める「メジャー」の話。大手レコード会社に所属しない、いわゆる「インディーズ」アーティストは、売り上げにこだわらず、自由な音楽作りに励んできた。一般には見えづらい石川、富山県のインディーズ音楽事情と、その魅力に迫った。

群雄割拠

 今の北陸にはシーンを引っ張る突出した存在はいないが、多彩なジャンルに実力あるアーティストがそろう−。レコード店やライブハウスの関係者ら両県の「音楽通」に共通する見方だ。

 県外からイベント出演のお呼びがかかるインディーズアーティストもおり、音楽の種類はロック系からヒップホップ、エレクトロニカと幅広い。

 シーンが“群雄割拠”の様相になっている一方、将来に影を落とす現象も。

【asuna】オルガンを主体としたサウンドアートの制作から派生して、単調な長音を基調とした「ドローン」の作品を発表。楽器だけでなく、ノイズや電子音、生活音なども取り入れた作風は国内外で注目を集めている。http://asuna.bandcamp.com/で視聴できる。

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 ジャンルを問わず、気に入ったミュージシャンを招きライブを開く金沢市石引の飲食店「JO−HOUSE」のマスター、本池和樹さん(34)によると「バンド数は減り、高齢化している」。経験豊富な社会人から若者に世代交代が進んでいないという。

 学生バンドの現状からも、その傾向はうかがえる。金沢大の大学院生でライブハウスなどに出演する為井悠男(ゆうと)さん(23)は「数年前と比べ、オリジナル曲をやろうとするバンドは減った」と話す。

 シーンを盛り上げるリスナー側の若者も元気がないという。「好きなアーティストのライブには行っても、新しい音楽を発掘するまではしない印象がある」(本池さん)

【Tanaka Scat】金沢市在住のソロユニット。2002年から地元でDJ活動をしている。09年には東京で単独初ライブ、昨年は初CDを制作した。テクノとハウスの間を突くような唯一無二の音楽を目指している。音源を聴くには、コミュニティーサイト「マイスペース」で「tanakascat」と検索。

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 不景気の影響からか、「金沢nospace」や「高岡もみの木ハウス」など、地域の顔だったライブハウスが閉店や一時休業するなどの事態も、関係者にショックを与えた。

ライブ環境充実

 それでも、地域のライブ会場は種類、量ともに充実している。富山市は北陸最大級の「MAIRO」をはじめ、中心市街地にライブハウスやレコード店が密集。金沢市ではロック中心の老舗「vanvanV4」、ダンスフロアを備えた「MANIER(マニール)」など、さまざまな音楽を楽しめる店がバランスよくある。

 同市のレコード店「everyday records」の店主、堂井裕之さん(42)は力を込める。「地元の音楽に触れられる場所に足を運べば、十分に楽しめる状況になっている」

【林道美有紀】富山県南砺市城端出身の歌手。9歳から地元の民謡を習い、数々のコンクールで入賞を果たす。民謡で鍛えた特徴のある歌唱力で、2009年にインディーズレーベルからCDデビュー。曲調はJポップ。本人のブログ(「林道美有紀」で検索)で、曲のプロモーションビデオが見られる。

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ローカルの強み

 身近に面白い音楽が広がっていたとしても、普通に生活していたらなかなか分からない。そこで、北陸から魅力的な音楽を発信するアーティストをいくつか紹介したい。

 交通網やインターネットの発達は、地方にいても充実した音楽活動を可能にした。CDを作らず、ネット上で音源を無料で発表しているのがemi。CDの製作コストを省きながら、県外への遠征や、自主企画イベントなどに積極的に取り組む。asunaは「生活費が安いから」と活動の拠点を東京から故郷の石川県白山市に移した。首都圏で培った人脈を生かして国内外へツアーしたり、さまざまなインディーズレーベルから作品を出している。

 生活との両立や、地域密着の観点で戦略的に活動する人も。Tanaka Scatは、地元企業で社員として働きながら楽曲制作やDJを続ける。林道美有紀は、公民館や地域の祭りなどにも細かく出演する“超”ローカルな活動で、幅広い年齢層から支持されている。

   担当・中平雄大

 

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