トップ > 北陸中日新聞から > popress > Alternative > 記事

ここから本文

popress【Alternative】サブカルチャーなど、新聞らしからぬ?話題
 

モーゼ583歳 能登に眠る? モーゼの墓(宝達志水町)

 オカルトファンなら知らない人はいないだろう。旧約聖書の「十戒」で有名な古代イスラエル民族の指導者、モーゼが眠ると伝えられる石川県宝達志水町の「モーゼの墓」。案内板には「モーゼはシナイ山に登った後、天浮船(あまのうきふね)に乗って能登宝達に到着。583歳の超人的な天寿を全うした」と、驚がくの伝説が記されている。北陸が世界に誇る“珍スポット”の実態とは−。(担当・河郷丈史)

巨人の骨出土 米軍も調査?

モーゼの墓とされる古墳の頂上。木々に囲まれひっそりと立つ墓標(魚眼レンズ使用)=石川県宝達志水町のモーゼパークで

写真

 能登半島の最高峰・宝達山のふもとにある「伝説の森モーゼパーク」。木々の生い茂る遊歩道を10分ほど上ると、「三ツ子塚」と呼ばれる古墳群が見えてくる。この中の2号墳が「モーゼの墓」だ。

 地元の人の話などによると、伝説の根拠は20世紀初めごろに宗教家竹内巨麿(きよまろ)が公開した古文書「竹内文書」。「モーゼやキリストが日本に来ていた」という内容で、一般には偽書とされている。

 一方、パークを管理する越野宏さん(78)は「伝説が知られる以前から『土地の偉い人と宝物が埋めてある』といわれていた」と証言する。

(左)古代ローマ風にも見える建造物(右)記帳所も設置されている=いずれも石川県宝達志水町のモーゼパークで

写真

 このほか、奇妙な言い伝えが残る。まちおこしに取り組む「モーゼクラブ」(活動休止中)の資料によると、墓近くの石灰山で、ひざからくるぶしまで2尺5寸(約75センチ)もある“巨人の骨”が出た。石灰山では土器のつぼが見つかり、古代に使われていたものだという。

 終戦直後に米軍が墓の調査に来たとの言い伝えもある。宝達山頂の手速比●(てはやひめ)神社には、モーゼと関係の深いエジプトのスフィンクスに似たこま犬があるほか、地元には平林(へらいばし)というヘブライを連想させる地名が存在する。いずれも真相は不明だが、何ともミステリアスだ。

(●は口へんに羊)

写真

オカルト研究家・山口敏太郎氏

国際交流 気軽だった時代

 現地を取材した作家・オカルト研究家の山口敏太郎氏(44)は墓をどう見るのか。

 クマが出ないかと怖かった。墓を見た印象は「あ、古墳だな。昔の偉い人かな」みたいな。

 モーゼ本人とは言わないが、モーゼに近いようなイスラエルの人は、古代から日本にずいぶん来ていたと思う。国境が画定しておらず、国際交流を気軽にやってた時代があったと。で、北陸でしょう。相当、朝鮮半島から渡来人が来ていると思う。

 墓の周りに人気がないのがもったいない。もっとまちおこしができないんですかね。イベントやグッズ開発、そしてモーゼラーメン。展示場もほしい。天浮船を古代のUFOととらえて羽咋市と連携したり、「キリストの墓」の伝説がある青森県新郷村と観光客を交換すればいい。

 オカルト的なものを使ったまちおこしは欧米でもはやっている。ガの化け物・モスマンの「モスマンフェスティバル」(米国)には1万人ぐらい来るらしい。誰も本当にモスマンがいると思ってない。ジョーク文化が発達してるんですよ。ファンタジックなもので遊ぶ心の余裕がほしい。伝説は人類の宝です。

写真

モーゼクラブ代表・橘隆春さん

 モーゼのまちおこしの気持ちは消えていない。数年後をめどに「モーゼが蘇(よみがえ)る町」として復活させたい。目標は高さ5〜6メートルの巨大モーゼ像の建立。それがわしの務めだと思っている。

「ふるさと創生」も活用

 1989年、旧押水町(現宝達志水町)の商工会員や町議らがモーゼクラブを発足。町は、国が全国の市町村に1億円を配った「ふるさと創生事業」などを活用し93年にモーゼパークを整備した。

 特産のイチジクを使った「モーゼスジャム」などのグッズも開発。「モーゼが眠る町」としてPRした。当時、同じ能登の羽咋市がUFOでまちおこしをしており、それに対抗しようとモーゼに白羽の矢が立ったという。現在は特に動きはなく、当時を知る宝達志水町の職員は「自然に機運が下がり、市町村合併で完全に沈静化した」。町の担当者は「財政も厳しく、モーゼにこだわるつもりはない」と話す。

 モーゼ エジプトで奴隷状態だったイスラエルの民を脱出させ、約束の地カナンに導く途中、シナイ山で神から「十戒」を授かった。カナンの地を目前に没したとされる。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索