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気付けなかった 自責に悩む 世田谷一家殺害 遺族 富山で講演

「話を聞くことが犯罪被害者の一番の励ましになる」と話す入江杏さん=1日、富山市牛島新町のタワー111で

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 二〇〇〇年十二月末に起きた東京・世田谷一家殺人事件で、妹家族を亡くした入江杏さん(61)が一日、富山市牛島新町のタワー111で講演した。「悲しみを生きる力に」と題して被害者遺族となった体験、思いを語り「事件解決を望まない日は一度もない」と話した。

 犯罪被害者週間(十一月二十五日〜十二月一日)の取り組みとして、当事者への理解を深めてもらおうと公益社団法人とやま被害者支援センターが招き、約二百人が耳を傾けた。

 事件では、入江さん宅の隣に住んでいた妹の宮沢泰子さん=当時(41)=と夫みきおさん=同(44)、長女にいなさん=(8つ)、長男礼くん=(6つ)=の家族四人が殺害された。二十世紀最後の重大事件とされ、犯人はまだ見つかっていない。

 入江さんは、宮沢さん一家が家を建てる際に近隣に迷惑がかからないように防音設計したことを事件後に思い返し「うるさくてもいいよとなぜ言えなかったのか自分を責めていた。もしかしたら、音で事件に気付いたかもしれないのに」と明かした。

 被害者遺族が自責する感情「サバイバーズ・ギルト」を自身の体験から説明し「過去は変えられないが、過去のとらえ方を変えて未来を変えることはできる。これが被害者遺族のケアの基本だ」と話した。被害者遺族に対しては「話を聞いてあげることが一番の励ましになる」とアドバイス。

 昨年は大阪・池田小学校児童殺傷事件の被害者遺族を講師に招いた。

  (向川原悠吾)

 

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