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大学スポーツ 改革せよ 「日本版NCAA」設立へ

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 日本大アメリカンフットボール部の悪質タックル問題はじめ、相次ぐ不祥事を受け、政府が来春の設立を目指して準備を進める学生スポーツの全国組織「日本版NCAA」(仮称)。スポーツ庁が主導する大学改革の柱だが、北陸では浸透していない。全国の約百大学が理解を示し、準備委員会への参加に次々と手を挙げるが、石川、富山両県の参加表明はゼロ。現状を打破しようと、トップの鈴木大地長官が二十日、金沢市内で講演し、改革への思いを語る。(前口憲幸)

北陸大で20日講演 鈴木大地・スポ庁長官

県内は参加ゼロ、直接訴え

 二年後の東京五輪は学生アスリートの活躍が期待される。後を絶たないパワハラやセクハラの問題、指導者の独裁解消や適切な資金管理、事故防止など大学スポーツ界の整備は急務だ。スポーツ庁は今夏、全国組織の設立に向けて有識者らによる準備委を設置。担当者が各地に出向いて説明会を開くなど参加を呼び掛ける。

 全国規模で関心が高まっているが、北陸では議論が低調だ。スポーツ庁によると十月一日現在、石川にある十三大学、富山の五大学とも準備委に加わっていない。東北や九州、四国など地方の大学も名を連ねるが、北陸での参加表明は福井工業大(福井市)だけにとどまる。

 こうした中、全国大学体育連合の北陸支部長で北陸大(金沢市)の南谷直利教授らが中心となり、鈴木長官の講演会を企画した。スポーツ庁によると準備委の発足後、鈴木長官が大学に足を運び、学生や大学教員らに意義を語るのは初めて。

 担当者は「スポーツ庁の意気込みが伝わるのではないか」と期待する。

 南谷教授は北陸にも東京五輪を狙う学生アスリートがいる現状に触れ「地方から機運を盛り上げていく機会にしたい」と語った。

 講演会は20日午前10時40分から、北陸大の松雲記念講堂(太陽が丘)で。大学スポーツに詳しい順天堂大や慶応大の教授らとの意見交換もある。入場無料(申し込み不要)。問い合わせは北陸大=電076(229)1161=へ。

「体育会」の伝統にメス

全国組織化目指す

 大学の運動部には自治を重んじる伝統がある。学生の自主的な課外活動として歴史を重ねるが、全国組織がないため、ガバナンス(統治)が利きづらく、近年は相次ぐ不祥事が社会問題に波及。日本版NCAAは、いわゆる「体育会」にメスを入れる改革といえる。

 モデルは全米大学体育協会「NCAA」。100年余り続き、約1100の大学が加盟。アメフットやバスケットなどプロをしのぐ人気競技もあり、年間総収入は1000億円超の巨大ビジネスだ。

 こうした大学スポーツの産業化という視点は日本にもある。箱根駅伝や六大学野球、アメフットの甲子園ボウルなどは象徴だ。

 ただスポーツ庁は、まずは学業との両立、指導者の育成、医療機関との連携など健全で安心できる組織づくりを最優先する考え。全国の大学を巻き込み、焦らずに改革を進める方針を示す。

 

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