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土壁の家 造ろう残そう 金沢の元炭焼き職人 畑尾均さん

ボランティアらと一緒に土壁を作る畑尾均さん(手前)=金沢市東兼六町で

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 炭焼きや農業をなりわいとしてきた畑尾均(ひとし)さん(64)=金沢市東兼六町=が、昔ながらの「土壁の家造り」を次世代に伝える活動に取り組んでいる。持続可能な社会が問われる中、土壁に関心を持つ人は増えているようで、会員制交流サイト(SNS)で体験参加を呼び掛けたところ、石川・富山から大勢が建築に加わっている。(押川恵理子)

「持続可能」関心集める

 「家造りを通し、大量生産・大量消費の現代社会を見直したい」と畑尾さん。東兼六町で六月に建築着工したのは、畑尾さんの義父母の新居。木造平屋(延べ約百三十平方メートル)で、図面は一級建築士に引いてもらい、地盤改良と基礎工事は業者に頼んだが、あとは自分たちで建てる。かやぶき屋根のふき替えを地域で助け合う「結(ゆい)」を意識している。

 土壁を塗る作業を始めたのは八月二十九日。雨が時折強く降る中、ボランティアら十八人が竹を麻ひもで格子状に組んだ「竹小舞(たけこまい)」の壁下地に、わらを練り込んだ土を手で塗った。参加者の中には小学三年の男の子もいて「泥がやわらかい。思った以上に難しい」と苦戦しながらも作業を楽しんでいた。

 左官や造園、大工の伝統技術を教える「金沢職人大学校」(金沢市)の専門職員は「温度や湿度を緩やかに調節する機能があり、日本の気候風土に適している」と土壁の良さを説明する。家屋が古くなって取り壊しても、土は再利用できるという利点もある。

 その半面、わらや水を混ぜた土を何層も塗り重ねるため、乾燥に時間がかかり、施工期間が長くなる。現代は工期を短縮するため水を混ぜた材料を使わない乾式工法の住宅が主流となっている。

 畑尾さんから炭焼きを習っている縁で、金沢市材木町の飯島さおりさん(40)は家造りに参加。畑尾さんに代わって、フェイスブックでボランティアを募った。「先人の知恵を学びたい。皆で作業するのも楽しい」とほほ笑む。畑尾さんは「この家を中心に人がつながり、結のような共同体に発展していけば」と語った。

 家が完成するのは来春以降の見込みで、いまも体験参加者を募集中。問い合わせは飯島さん=電080(3749)7705=へ。

 

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