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国内初 僧侶形の木製神像 金沢・千田北遺跡で発掘

発掘された木像僧形神立像

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 金沢市埋蔵文化財センターは二十四日、鎌倉時代に作られた僧侶形の木製神像が、同市千田町の千田北遺跡で見つかったと発表した。同センターによると、木製神像の出土は国内で五例目だが、僧侶形は初めて。神社で祭られる神像に仏教色が取り入れられるなど「当時の神仏習合の実態を知る貴重な史料」と見ている。(堀井聡子)

鎌倉時代「神仏習合 示す事例」

 同センターによると、木像は高さ十六センチ、幅五センチの「木造僧形神立(しんりゅう)像」で、十三世紀に作られたとみられる。僧侶のように頭を丸めた人物が、胸の前で腕を組む形で、このポーズは、神社で祭る神立像に見られる特徴という。

 千田北遺跡には、弥生時代から鎌倉時代にかけての遺構があり、建物跡や墓、井戸などが確認されている。神立像は六月、十三世紀の池とみられる穴の底から見つかった。同センターの向井裕知主査(44)は「池の泥で密閉され、ずっと湿った場所にあったため、腐らずに残った。保存状態もいい」と説明する。

神立像が見つかった池とみられる遺構=いずれも24日、金沢市千田町で

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 池の周辺は、鎌倉時代に土地の有力者の住居があったと考えられている。神立像以外にも、厨子(ずし)などに使われる屋根の一部や卒塔婆など、仏教に関する出土品三十六点も見つかった。向井主査は「有力者が先祖供養などのため、ほこらやお堂を建てたのでは。仏教的な空間に神立像を祭ったのも、神仏習合を示す貴重な事例」と話した。

 出土品は二十六日午後二〜三時、千田町交差点南にある千田北遺跡で一般公開される。問い合わせは市埋蔵文化財センター=電076(269)2451=へ。

洗練された作り

 日本海側の考古学に詳しい金沢学院大の小嶋芳孝教授 頭は僧侶、体は神様という面白い神立像で、洗練された作りになっている。仏師が注文を受けて作る体制が整っており、神仏習合が広まっていったのではないか。当時の神仏習合を知る上で貴重な発見だ。

 

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