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「介護留学生」手厚くケア 育成へ 勉強も生活面も

車いすの扱い方を学ぶインドネシアからの留学生ニ・プトゥ・スナルシさん=金沢市久安の金沢福祉専門学校で(蓮野亜耶撮影)

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 昨年秋に入管難民法が改正され、在留資格に「介護」が創設されたことを踏まえ、金沢市内の福祉施設運営会社と、専門学校や短大が外国人留学生を受け入れ、介護福祉士として育成を始めた。学び、バイト、暮らしの面で、留学生を支援するのがポイント。福祉現場の人材不足を解消する糸口となるのか−。(蓮野亜耶)

金沢の福祉企業、学校と連携

 「難しいね」。人を乗せた車いすを階段から下ろす練習をしていたインドネシア出身の留学生ニ・プトゥ・スナルシさん(37)は首をひねっていた。

 金沢市久安の金沢福祉専門学校。四月から、初めて留学生六人を受け入れた。提案したのは石川、富山県を中心に福祉施設を運営するサンケアホールディングス(金沢市)。団塊世代が後期高齢者となる二〇二五年に向け、働き手不足への危機感があった。

 連携するのはこの専門学校と富山福祉短期大(富山県射水市)。短大では本年度、サンケア社が紹介した中国人留学生六人を含めた計十六人が入学。担当者は「いずれは日本の介護現場を支える人材となってほしい」と期待する。

 仕組みは、インドネシアやフィリピンなどの日本語学校から日本で介護福祉士として働きたい人を紹介してもらい、学生らは両校に二年間留学し、介護福祉士の国家資格を取得してもらう。学生には卒業までに約百七十万円の奨学金を支給し、在学中は運営する福祉施設などでアルバイトとして働いてもらう。

 サンケア社が運営する施設では一六年から経済連携協定(EPA)で来日し、国家資格を取得した介護福祉士十六人が現場で働く。高畠樹社長は「“先輩”が一生懸命働く姿を見ていれば、外国人も十分に戦力になる」と力を込める。今後、提携校を増やす。

 日本はEPAに基づき海外から介護人材を受け入れてきたが、日本の国家試験に不合格になると、帰国しなければならないなどハードルが高い。厚生労働省によると、EPAで来日した約三千五百人のうち、資格取得者は七百四人にとどまる。

育成ノウハウ共有を

 外国人労働者問題に詳しい静岡県立大の高畑幸准教授の話 多額の税金を投入するEPAは先細りし、留学して介護福祉士になる道が主流になるのではないか。EPAで培った人材育成のノウハウを共有することが求められる。

 外国人介護士 経済連携協定(EPA)に基づく受け入れが2008年度にスタート。国内の施設で4年間働きながら介護の知識や技術を学び、国家試験に合格すれば有資格者として引き続き日本での就労が可能になる。昨年秋の入管難民法の改正で、留学生として日本の介護福祉士養成施設で2年以上学び、国家試験に合格すれば在留資格が与えられる。最長5年、問題なければ無制限に更新できる。留学生は全国で13年度に21人だったが、17年度は591人に激増。

 

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