トップ > 北陸中日新聞から > 北陸発 > 記事

ここから本文

北陸発

国内最古アシカ属化石 高岡の「頭川層」で出土

研究成果を説明する安井謙介主任学芸員=富山市八尾化石資料館「海韻館」で

写真

275万年前生息「分布域拡大証明へ重要」

 富山県高岡市西部の丘陵地にある地層「頭川(ずかわ)層」で見つかった化石が、二百七十五万年前に生息していたアシカ属の骨であることが分かった。現在のアシカのグループが北太平洋などでみられるようになった時期とほぼ重なり、専門家は「日本近海への分布域の拡大を証明する上で重要」と話す。

 アシカ属の化石としては、神奈川県内で見つかった百二十万年前のものが知られていたが、今回はこれをさかのぼり、確認できる中では日本最古という。地層の年代から判明した。

 共同研究している愛知県豊橋市の市自然史博物館と富山県古生物研究会が十四日、富山市八尾化石資料館「海韻館(かいいんかん)」で発表した。

10年前に安田俊雄さんが見つけたアシカ属の化石

写真

 化石は、右足のすねの骨(全長一五・七センチ)、尾の骨(二・三センチ)、骨盤の骨(五・六センチ)の三点。古生物研究会の安田俊雄副会長(70)=高岡市=が二〇〇八年十二月に発見した。

 豊橋市自然史博物館の安井謙介主任学芸員(43)=脊椎動物=がこの化石を、現在生息するトドやセイウチなどの海生動物と比較。すねの骨の特徴が、現在のアシカ属とほぼ一致した。残る二点は断片的で詳細は不明だが、すねの骨と同じ場所で見つかっており、同じアシカ属の骨とみられる。

 安井さんによると、北陸一帯は当時、寒流が主体の浅い海が広がっており、クジラやジュゴン、アシカの仲間など多様な海生哺乳類がすむ豊かな海だった。安井さんは「同じ時代の地層からさらなる発見があれば、アシカの進化などの研究が進む」と期待する。化石は七月に海韻館で一般公開する。 (山中正義)

写真

 頭川層 高岡市西部の丘陵地帯にある360万〜275万年前の地層。これまでにトドやクジラ、ジュゴンの仲間などの化石も発掘されている。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索