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香りでおもてなし 企業注目 金沢市は助成開始

来店客に心地よい香りを提供するアロマディフューザー=金沢市ののと共栄信用金庫竪町支店で

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 香りに触れると心が落ち着いたり、思い出がよみがえったり−。こんな嗅覚の作用に着目し、香りを職場の活性化やマーケティング戦略に生かす取り組みが、金沢市内の金融機関や企業でじわりと広がっている。市も商店街活性化策に取り入れ、香る空間づくりを進めようとしている。(太田理英子)

来店客にも従業員にも好評

 同市竪町ののと共栄信用金庫竪町支店。店内に入ると、かんきつ類にバラの華やかさが加わった香りがすっと鼻に入る。香りの源は窓口に置かれた小型の「ディフューザー」。水とアロマオイルを超音波振動で霧状にして拡散させている。

 「ほっとする優しさと爽やかさをイメージした香り」と、支店長の大砂尚子さん(53)。もてなしと快適な職場づくりとして、昨年九月、同信金内で初めてオリジナルの香りを導入した。

 オイルの調合は市内の空間アロマアドバイザー石川綾子さん(38)に依頼。天然精油を使用しているため、強い香りで体調不良など「香害」を起こしやすい人工香料と違い、香りが鼻に残らず自然に体へ抜けるという。

 石川さんは「嗅覚への刺激は自律神経の働きに合わせ脳を活性化する。そのため香りは緊張緩和や集中力向上、空間の印象付けに効果がある」と話す。

 大砂支店長は「職員が朝から明るい気分で仕事を始められるようになった。お客さまにも好評で、不思議と窓口でのトラブルはほぼなくなった」。初期投資は装置と香りのデザイン料を含めて三万円ほど。「内装を凝らなくても香りだけで空間が変わる」と実感している。

 石川さんによると、金沢市内では企業イメージや職場環境の向上のため、香りの装置を受付などに置く電気設備会社など数社あるという。

 一方、市も同様の狙いで四月から、中心市街地の商店街を対象に装置導入の支援を始めた。一団体につき百万円を上限に、初期投資の半分を助成する。

 任意団体「香りマーケティング協会」(東京都)によると、国内で香りを生かしたビジネス戦略が注目され始めたのは約十年前。ブランド力向上や客の滞在時間アップを狙ってホテルや洋服店で広がったが、企業などはまだ多くなく、商店街では珍しいという。

 同協会の田島幸信理事長は「香りはブランド力を高めるし、特産品を使った香りがあれば町おこしにもつながるかも。日本では移り香が好まれるので、さりげなく漂わせれば効果的」と話す。

 

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