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農業ハウス 倒壊続出 北陸豪雪 野菜など「産地、弱くなる」

雪の重みでつぶれてしまったビニールハウス。中には収穫前のホウレンソウが育っていた=9日、石川県小松市向本折町で

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 石川、富山の両県で記録的な大雪によるビニールハウスの倒壊が相次いでいる。積雪で調査が進まず、今後さらに被害が判明する可能性も。十一日からは再び雪が降るとみられ、春を前に農家は頭を抱えている。

 石川県生産流通課によると、九日までに県内のハウス二百三十二棟で倒壊や一部損傷などを確認。被害は金沢市以南の小松、白山、加賀、能美の各市などに多いというが、まだ調査できていないところもあり、全容は分かっていない。

 加賀野菜の太きゅうりの産地として知られる金沢市打木町では、一部のハウスが雪の重みで骨組みがひしゃげ、倒壊した。

 市打木生産組合の本野寿一副組合長(44)は「一月の大雪でも十棟ほど倒壊したが、今回は倍以上あるはず」と話す。自身は一部のハウスの側面に切れ目を入れ、積もった雪を内側に落として倒壊を免れた。

 別の男性(62)は、太きゅうりの苗を植える予定だったハウス一棟と納屋が倒壊した。春以降はスイカなどの定植や収穫が続き、建て直しは十二月ごろになる。

 ハウスが倒壊した農家の中には、後継者がいないため建て直しを諦める高齢者もいるという。男性は「出荷量が減れば、産地として弱くなる。行政は復興に手を貸してほしい」と話す。

 トマトなどの栽培が盛んな石川県小松市向本折町。農業土中喜代美さん(75)宅では二棟がつぶれた。約一メートルの雪が積もったハウスは骨組みが地面に接するほど曲がった。中に入れず、育っていたホウレンソウが収穫できない。土中さんは「ショックで涙が出た」。

 同県加賀市のハウスで野菜などの栽培をしている山伝園芸では、トマトの苗やカブなどを栽培するハウス十棟のうち八棟が損壊した。同園芸を営む山下美紀さん(45)は「これ以上やられたら廃業だわ」と嘆く。

 富山県内では五日から八日に富山、小矢部、射水市、朝日、入善町でハウス十二棟(計千四百七十二平方メートル)が全壊、二棟(計百十七平方メートル)が半壊した。

 富山市栗山では屋根がつぶれたハウスが一棟、雪に囲まれた状態で放置されている。所有者の女性(80)は「ビニールを取ろうと思っていたが、年のせいでできなかった」と肩を落とす。

 石川県によると、十一日からの降雪には、支柱や融雪用チューブの設置や、ハウスとハウスの間にたまった雪を除くことが有効だ。雪があると新雪が下に落ちず、その重さでハウスがつぶれる可能性がある。

 

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