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失われた海図 羽咋にあった 明治、昭和初期の2枚 元網元宅に保管

新たに見つかった海図を広げる柴田宣昭情報官(左)と東寿郎さん=27日、石川県羽咋市滝町で

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関東大震災など 焼失した版と同じ

 石川県羽咋市滝町の元イワシ漁網元船主「姫丸」で保管されている海図のうち二点が、関東大震災(一九二三年)や東京大空襲(四五年)などで焼失した版と同じものであることが分かった。一一年に再版で刊行された「朝鮮半島東岸」と、三五年に初版で刊行された「函館港」の海図で、いずれも初めての発見で貴重な資料となる。(小塚泉)

 失われた海図の収集作業を進めている海上保安庁から柴田宣昭主任海洋情報官が二十七日、姫丸を訪れて確認した。

 海図には水深情報や船からの目標物となる灯台、煙突、山の高さなどが記されており、漁業者だけでなく、津波調査にあたる研究者や漁場開発の歴史確認のために自治体などで使われる。柴田情報官によると、海図は新たな情報を書き加えながら版を重ねるため、元の履歴が分かる初版の海図は貴重だという。

 姫丸は明治から大正、昭和初期にかけて船主として山口や島根、鳥取に船を出した。海産物商も営んで北海道や上海などに出荷。海図は、国内外を行き来する航海に欠かせないものとして、代々大切に受け継がれてきた。

 姫丸は七年前から所蔵している美術品を展示している。ホームページに海図の存在を記したところ、柴田情報官から確認を求める連絡があった。

 海保の海洋情報部は一八七一(明治四)年に当時の海軍部水路局として設置されて以来、海図などの航海用刊行物を提供している。関東大震災で二千三百版の海図原版や、当時刊行していた海図の一覧を掲載した図誌目録を焼失。その後、大空襲でも焼けたため、失った海図がどの程度あるか正確に分かっていない。現在は二万種類ほどがあるという。

 海保は現在も収集に努め、特に第二次世界大戦以前の海図の所在情報を募っている。見つかった二点は、複写をして返却する。姫丸代表の東寿郎さん(56)は「先祖が大切に残してきたものがお役に立って良かったなと思う。戻ってきたら額に入れて飾りたい」と語った。

 

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