トップ > 北陸中日新聞から > 北陸発 > 記事

ここから本文

北陸発

富山湾に新種クリオネ 富大発見 日本海固有種か

富山湾で発見された新種のクリオネ=蘭越町貝の館・富山大提供

写真

 富山大は十二日、巻き貝の仲間で「氷の妖精」とも呼ばれるクリオネ(和名・ハダカカメガイ)の新種を富山湾で発見したと発表した。クリオネはこれまで日本近海の二種類を含め世界で四種類が見つかっており、北半球では富山湾が最南端となる。日本海固有種の可能性もあるという。(山中正義)

 同大大学院理工学研究部の張勁教授(50)らによる昨年八月の海洋調査で見つかり、蘭越町貝の館(北海道蘭越町)の山崎友資館長(34)が遺伝子を調べるなどして新種と確認。

 今年十月に再度調査したところ、富山市の神通川河口から北に十一〜十二キロの海域で、水深二五〇〜一〇五〇メートルにネットを沈め、五回の調査で計約百匹を採集した。

 新種のクリオネは、遺伝子が他の四種と異なる他、体長が大きくても五ミリほどと小さい。体長〇・五〜三ミリ程度の個体は、細かな多数の毛が集まった「繊毛帯」だけで泳ぐ特徴もある。成長すると、他のクリオネと同様に羽のような「翼足」を使って移動する。

 クリオネの餌となる貝の貝殻は、温暖化によって二酸化炭素が海に溶け、海水が酸性化すると変容するため、温暖化の指標になる。山崎館長は「定点観測することで、海の酸性化と温暖化の進行とともに、生物にどのような影響を与えているのか分かる」と指摘し、富山湾での新種発見が世界規模の現象を予測するために役立つと強調した。従来はベーリング海などで調査するしかなかった。

 山崎館長らは今後、研究の成果を論文にまとめて発表し、新種の展示も考えているという。 

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索