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子育て支援 望みは何? 消費増税使途 親らに聞く

歌を歌って楽しむ泉野こども広場の利用者ら。保護者には教育無償化を歓迎しつつも、将来への不安を口にする人もいる=26日、金沢市で

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幼児教育無償化 「学童見直しを」「実現可能か」

 安倍晋三首相は二十八日に衆院を解散し、二〇一九年に予定される消費税の増税分の使途変更についての是非を、総選挙で問うと表明した。少子高齢化問題を最大の課題とし、「子育て世代への投資」を増やすという。子育て世代には、ありがたい方針だが、どこまで踏み込んだ「投資」をできるのか。国にどんな施策を求めるか、子育て世代や現場に尋ねた。(横井武昭、押川恵理子、山内晴信)

 二十六日朝、金沢市泉野町のこども広場は大勢の親子でにぎわっていた。夫(38)の転勤で昨夏、東京から金沢市に引っ越した主婦上野知子さん(37)は会社をやめ、世帯年収が約三百万円減っただけに「無料に越したことはないですよね」。

 長男は二歳。三〜五歳児の幼児教育無償化は大歓迎。だが、子育て世代への投資と引き換えに、国の借金返済が先送りになることには「子どもの世代に負担が行くのは避けたい」とつぶやいた。

 育休中の看護師林あきこさん(33)は「幼児教育の無償化もよいけれど、学童の見直しを考えてほしい」。長男(1つ)が小学生になるころには、時短勤務の期間が終わるため、学童保育の受け入れ時間拡大を求める。

 次女(1つ)を抱く塾講師村田充さん(38)は、子育て支援も大切だが「有効求人倍率は高いが、入ってすぐにやめる人がいる。仕事を続けられる人材育成に力を使ってほしい」と話す。

 安倍首相は二十五日の記者会見で、大学の授業料の減免、給付型奨学金の支給額の拡充なども言明した。一時預かりや子育てサロンなどの活動をするNPO法人「子育て支援さくらっこ」(金沢市)の布施安子理事長は「財政的に全てを実現できるのか」とやや懐疑的だ。「選挙前なので優しい言葉が出てくるが、じっくり見極めて一票を投じないと」と話した。

 富山県高岡市の「オタヤこども食堂」の運営メンバー田辺恵子さん(66)は「小学校に入った後に給食費を払えない家庭もある。幼児教育の無償化だけで、本当に必要なところに支援が届くのでしょうか」と話す。

 「手放しでは喜べない」と言うのは金沢市の認定こども園の園長(70)。定員に空きはあるが、ゼロ歳児の新たな受け入れは断っている。ゼロ歳児三人につき保育士一人を置く必要があるが、働いてくれる人がいない。保育士のなり手を増やす施策が必要と訴える。

 金沢市内で保育所とデイサービスを運営する施設長(66)は財政再建の先送りを心配する。「票集めの政策をバーンと打ち出し、知らない間に介護など他の分野にしわ寄せがいくのでは困る。社会保障全体を考えてほしい」と求めた。

 

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