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北陸発

秋空小松 鉄人競う 京都の中谷さん 大会新で2連覇

【上】自己の限界と記録に挑みバイクで一斉にスタートする鉄人の部の選手たち(西浦幸秀撮影)【下】鉄人の部に出場した山口美樹さん(中)と同伴ゴールした夫の清則さん(左)と一輝さん=いずれも24日、石川県小松市で

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 市民アスリートが自転車や長距離走、登山で競う「KOMATSU全日本鉄人レース」(北陸中日新聞共催)が二十四日、石川県小松市こまつドームを発着点に開かれ、全国から集結した五百六十五人が出場した。メインとなる鉄人の部(自転車60キロ、登山10キロ、長距離走20キロ)男子は、中谷明生さん(41)=京都市=が、3時間53分51秒の大会新記録で二連覇を果たした。(竹内なぎ)

 鉄人のほか、ロング(第1ラン6キロ、自転車60キロ、第2ラン20キロ)、ショート(第1ラン6キロ、自転車60キロ、第2ラン6キロ)、ロングのコースを三人で走るチームリレーの計四部門で競った。澄み渡る秋空の下、照りつける日差しに耐えながら選手たちは、小松市の山間部を駆け抜けて汗を流した。沿道や発着点のこまつドームでは約千人のボランティアが大会を支えた。

 ロングの部男子は平田将之さん(25)=金沢市、同女子は三味(しゃみ)美帆子さん(40)=石川県加賀市、ショートの部女子は池島奈緒美さん(45)=同県野々市市=がそれぞれ優勝した。

父、母、子 笑顔のゴール

地元の山口さん 家族の絆強く

 歯を食いしばり、前を向く。六時間半の制限時間を過ぎていたが、「鉄人の部」に初めて挑んだ山口美樹さん(50)=石川県小松市=は諦めるわけにはいかなかった。すでにレースを終えた夫の清則さん(50)=ロング出場=と、長男一輝さん(24)=ショート出場=がゴールで待っているのが分かっていたからだ。

 ラストは心配した二人が駆け付け、ゴールまでの一キロを三人で駆け抜けた。美樹さんに涙はない。満面の笑みを浮かべてテープを切った。「家族が待っててくれたから頑張れた」と美樹さん。家族の絆を一層強めるレースになった。

 家族三人で鉄人、ロング、ショートの三部門を見事に走り抜いた“鉄人一家”、小松にあり−。夫婦で九年前から出場し、その姿を見ていた一輝さんが十九歳になった五年前から挑戦。恒例行事となった大会も家族にとって大事な時間だ。

 昨年ショートを初めて完走した一輝さんには軽度の知的障害がある。夫婦は、一輝さんの出場にあたって、自転車のギア操作で混乱しないよう、左右のグローブを色分けするなど工夫を凝らした。安全面の心配もあっただけに、完走の喜びはひとしお。そんな長男の成長に励まされてきた。

 今大会前、美樹さんを元気づけてくれたのは、一輝さんがレース前に送った手紙。お守り代わりにリュックに忍ばせた。「初めての鉄人がんばって下さい! ファイト!!」と力強く書かれた手紙に励まされた。

 夫婦にとって今年は結婚二十五周年、さらに出場十回目の節目。正月に掲げた今年の抱負は、図らずも全員が鉄人レース完走だった。神奈川県に単身赴任中の清則さんが家に帰る月に一度の週末には、そろって練習に励んできた。

 「三人でチームリレーに出るのもいいね」。三人に自然と笑みがこぼれる。鉄人レースが、離れて暮らす家族を強く結ぶ絆を紡いでいる。 (竹内なぎ)

 

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