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「投手守るため必要」 高校野球 来春選抜 タイブレーク制

星稜 山下元主将に聞く

山下靖さん

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 高校野球で来春の選抜大会から、試合の早期決着を促すタイブレーク制が導入されることになった。多くの野球ファンの間で思い起こされるのが、一九七九年夏の甲子園三回戦。延長十八回の星稜(石川)−箕島(和歌山)戦は今も語り草となっている。当時、星稜の主将だった山下靖さん(55)=金沢市=は今回の改革を「投手の負担軽減や教育的観点から必要なルール改正」と冷静に受け止める。(田嶋豊)

名勝負 箕島と延長十八回

 延長十八回を戦ったという「看板」を背負い、それぞれの野球人生を歩んできた当時のメンバーたち。山下さんも「あの試合が人生をつくった」と話す。

 その山下さんは現在、中学の硬式野球を指導する。タイブレーク制には賛否さまざまな声があるが、まず頭に浮かぶのが指導者としての見方だ。仮に再試合となれば、投手は志願して再びマウンドに立ちたいと思う。そのときに無理をさせてもいいのか、と。

 今夏の甲子園では大会通算本塁打数を大きく更新した。近年はトレーニングなどで打力が充実し、逆転ゲームも増えてきた。山下さんは「昔と違って得点が多く入る時代。投手の負担は大きい」と強調。「寂しさがあるのも事実だが、選手の将来性や世界大会の現状を考慮すれば、(導入は)一つの方法だ」と明かす。

 既に中学野球ではイニング数や試合時間に応じてタイブレークが取り入れられており、その対策も万全。「選手たちに違和感はないだろう」とみている。

 山下さんが危惧するのは近年の野球人口の減少。他の競技で時代に応じたルール改正が行われている現状も踏まえ「野球だけが聖域ではない」。三年生にとって負けたら終わりの夏の甲子園ではなく、選抜での導入に「ファンが面白いと思うかもしれないし、まずはどういう反応をするか」とみる。今後協議されるルールについても「公平性を保つ方法を考えてほしい」と話した。

 星稜VS箕島の延長十八回 「神様がつくった試合」と称される名勝負の一つ。1−1で延長に入り、星稜は2度にわたり1点を勝ち越したが、箕島が起死回生の同点劇を演出。十六回には星稜がファウルフライの捕球に失敗した直後、その打者が本塁打を放って追いついた。3時間50分の死闘は箕島が4−3でサヨナラ勝ちし、春夏連覇につなげた。箕島・石井毅=現・木村竹志=投手は257球、星稜・堅田外司昭投手は208球を投げ抜いた。

地区大会では15年から実施

 タイブレーク制は二〇一五年から春の各地区大会で実施され、北信越地区の五県も足並みをそろえ、春の県大会でも行っている。

 現状では十回、十三回からの二つから選択でき、石川県では十三回を採用。今春は二回戦と三回戦でそれぞれ一試合ずつタイブレークとなり、いずれも十三回で決着した。

 同県高野連は、日本高野連のアンケートに「選手の健康管理などを考慮すれば致し方ない」と導入に賛同したという。

 

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