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国内最古の鉄製やりがんな出土

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木製の柄 完全な状態

弥生期 小松の八日市地方遺跡

 石川県埋蔵文化財センター(金沢市)は、同県小松市の八日市地方(じかた)遺跡から、約二千三百年前の弥生時代の「柄付き鉄製●(やりがんな)」が出土したと発表した。ほぼ完全な状態で、木製の柄がしっかりと残った鉄製●としては国内最古になるという。

 センターによると、時期は日本列島で鉄器の生産が始まる百年以上前。当時、鉄は大陸からもたらされており、管玉(くだたま)や勾玉(まがたま)などの一大産地だった八日市地方の人たちが九州や山陰との交易で入手したと考えられる。弥生時代に鉄器が各地に普及する過程の研究に役立つ可能性がある。

 全長一六・三センチで、柄は一三・九センチ。鉄部分は五・一センチで、うち二・七センチが柄の中に埋め込まれていた。イヌガヤとみられる二枚の板で挟み込み、サクラの樹皮で固定。幅一・九センチの両辺の刃が付いている。

完全な状態で出土した柄付き鉄製やりがんな

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 八日市地方で大量に出土している木製の器の仕上げなどに使用していたとみられる。柄の下部には、精巧な斜めの格子文様が彫り込まれていることから、別の同様の●が使われた可能性もあり、今後さらに調査する。

 北陸新幹線敦賀延伸工事に伴うJR小松駅東側一帯に広がる遺跡の発掘調査で、六月五日に作業員が発見。約四メートル下に埋まっていた。ある程度の湿気があり、空気が遮断されていたことから、鉄がさびたり、木が朽ちたりすることなく、状態が保たれたとみられる。

 センターの中屋克彦主幹は「弥生時代中期前半から木器の造りが変わっており、小型鉄器を使っていたと推測されていたが、それが証明された」と述べた。二十九日から一カ月程度、センターでパネル展示する。 (並木智子)

こだわり感じられる

 愛媛大東アジア古代鉄文化研究センター長の村上恭通教授(東アジア考古学)の話 模様を施しており、貴重なものだったと言える。この地域の道具へのこだわり、アイデンティティーが感じられる。

文中の●は金ヘンに【施】のつくり

 

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