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ファミリーパークのライチョウ 人工繁殖でひな2羽

誕生したひな。左が15・6グラム、右が17・1グラムの個体=富山市ファミリーパーク提供

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 国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウの人工繁殖を目指す環境省の事業で富山市ファミリーパークは十八日、人工飼育した親鳥から産まれた卵二個がふ化したと発表した。パークは「非常に限られた地域で生き残っているニホンライチョウの種を守る繁殖技術確立の第一歩」と説明している。(木許はるみ)

国事業初 技術確立へ羽ばたく

 人工繁殖の親からひなが誕生するのは大町山岳博物館(長野県)の成功以来十九年ぶりで、二〇一五年度から始まった環境省の事業では初めてのふ化。

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 ひなは十七日午後十一時十五分と午後十一時四十一分にふ化。体重は一五・六グラムと一七・一グラムで、体長はともに六・五センチ。座りながら体の向きを変えたり「ピーピー」と鳴いたり、元気な様子という。ふんの状態を慎重に点検しながら、ニワトリ用穀類やウサギ用の乾草を混ぜて与える。性別は卵の殻をDNA検査し、約一カ月後に判明する。

 親鳥は昨年、乗鞍岳で野生のつがいから採取した卵を人工飼育した雄と雌。今年五月二十日に産卵を始めた。産んだ四個をふ卵器で保管。平均二十二、二十三日間でふ化するため、有精卵と確認できた二個を今月十五日から専用のふ化器に移していた。石原祐司園長(57)は「ひなが育ち、そのひなが来年繁殖することで人工繁殖の成功と言える。事例を重ね、技術を確立したい」と話した。人工繁殖をした後、野生で生きられるように飼育方法を確立し、五〜十年後に野生に戻すことを見据えている。

 環境省の事業は、上野動物園(東京都)と大町山岳博物館とパークで実施。一五、一六年度に乗鞍岳で二十二卵を採卵した。このうち、ふ化した計十四羽を人工飼育し、計四十三個が産卵された。

 大町山岳博物館では、過去二十年間、人工繁殖を試みたが、安定した繁殖ができなかった。 

 ニホンライチョウ 環境省によると、北アルプス、南アルプス、乗鞍岳、御嶽山、頸城山塊(妙高連峰)に生息する。富山県内では、立山黒部アルペンルートの室堂周辺でも見られる。1980年代に3000羽と推定されたが、2000年代は2000羽を下回ったとされる。温暖化などの環境変化が原因と考えられている。1991年に絶滅危惧種に指定された。

 

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