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兄と妹は自閉症 「個」育て多彩に 家族描いた本 母が出版

本を自費出版した輪島満貴子さん(右)、楓さん(中)と貫太君。後ろは楓さんの切り絵を基に満貴子さんが作ったタペストリー=金沢市内で

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 小学生の子ども二人の手による絵や切り絵、家族の日常などを紹介した本「犬をかいてみた」を、金沢市暁町の主婦、輪島満貴子さん(37)が自費出版した。長男貫太君(10)と長女楓(かえで)さん(8つ)はともに自閉症。決まりにとらわれず自由な発想と純粋な心で思いがけない作品を生み出す二人から、障害も個性の一つとの両親の思いが伝わってくる。(並木智子)

 木造二階建ての自宅は、二人の色鮮やかな作品が壁や押し入れの中にも直接描かれ、にぎやかだ。

 二人は同市兼六小学校の特別支援学級に通う五年生と三年生で、知的障害がある。貫太君は幼い頃から動物が大好きで、動物の絵本を破れるまで読み、毎日絵を描き続ける。楓さんは切り紙が得意。シンデレラや人魚姫がお気に入りで、童話に登場するドレスやグラスなどをさまざまな色紙から器用に切り抜く。

 他の子どもよりも、苦手なことも多い。親として悩むこともあるが、満貴子さんは「『個育て』だと思っている。二人に出会ったことで、人との接し方や話し方が変わったし、世界観も広がった」と話す。

 二人が日々生み出すものを形に残したいと、絵を基にした手ぬぐいや、切り抜かれた紙を使って版画の技法で布に色づけしてタペストリーを作ってきた。

 出版は、昨夏に手ぬぐいを作る過程で知り合った男性デザイナーの提案がきっかけ。犬をテーマにした貫太君の絵本出版を提案された。描かされる絵にはうまく集中力が続かなかったが、犬にライオンやカンガルーが混じった「ライヌオン」や「ケンガルー」など自由に絵を生み出す貫太君。輪島家を描くことにして、二人のことや作品を、写真をふんだんに使って紹介。満貴子さんがユーモアを交えた文章を添えた。

 「タイトルと中身が合わないところが、わが家らしい。読んだ子が自分の好きなことをやってみたいと思う後押しにもなったら」と満貴子さん。夫の裕之さん(47)は「読み終わって、自閉症にも関心をもってもらえたら」と話している。

「犬をかいてみた」

 「犬をかいてみた」は百四十四ページ。百部作ったが完売し、さらに百部を追加出版した。千九百四十四円(税込み)。問い合わせは、輪島満貴子さんのメール=Wajiya2006@gmail.com=へ。

 

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