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金栄健介 ボタニカルアートの世界

【城下町金沢 花色もよう】 椿・紅荒獅子

写真

 五年前、兼六園内苔地奥に、椿(つばき)「荒獅子」を見つけ細密に描いた。

 真っ赤な花弁は複雑に盛り上がり、外側のは大きく、内側のは小さい曲弁で、雄しべが完全に弁化した日本の代表的な「獅子咲き」だった。

 この椿の斑(ふ)のあるものを「荒獅子」といい、絵で示した斑なしは「紅荒獅子」と区別している。

 江戸時代、旧富山町(現富山市)や近郊の農村に植栽されていて、北陸で完成した。江戸方面に全国から集められた珍しい椿とともに大人気となり、二巻の絵巻物「百椿(ひゃくちん)図」に登場している。

 正月、北陸地方では「荒獅子」の獅子の名にちなんで、今でも初釜に用いられることもあるという。

 (金沢中日文化センター講師)

 

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