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【読書De討論】石川県金沢市清泉中3年 よしもとばなな著 「人生って?」を読んで

よしもとばななさん著(ちょ)「人生(じんせい)って?」について話(はな)し合う生徒(せいと)たち(左から西川(にしかわ)さん、漆尾(うるしお)さん、浅田(あさだ)さん、赤松(あかまつ)さん)=石川県金沢(けんかなざわ)市清泉(せいせん)中学校で

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 今回は、本を読(よ)んで感想(かんそう)を話(はな)し合う「読書De討論(どくしょデとうろん)」をお届(とど)けします。石川県金沢(けんかなざわ)市清泉(せいせん)中学校三年の生徒(せいと)たちに現代作家(げんだいさっか)、よしもとばななさんの「人生(じんせい)って?」を読んでもらいました。生徒たちはこの作品(さくひん)をどう感(かん)じたのでしょうか。

今回の論点(ろんてん)

・本当の優(やさ)しさとは何だと思うか。

・苦手(にがて)な人に対(たい)する心構(こころがま)えは何だろう、いやなテスト勉強(べんきょう)はどうすればいいか。

・ほかに心に残(のこ)る質問(しつもん)と答えは何か。

出席者

赤松(あかまつ) 雅波(まなみ)さん

浅田(あさだ) 尭憲(たかのり)さん

漆尾(うるしお)  静(しずか)さん

西川(にしかわ)  剛(ごう)さん

解決をあせらない

大切にしたいのは「今」

自分と相手ちがっていい

よしもとばななさん著(ちょ)、「人生(じんせい)って?」(幻冬舎文庫(げんとうしゃぶんこ))

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 −よしもとさんは「本当(ほんとう)の優(やさ)しさって何か」との質問(しつもん)にどう答えているか。みんなはどう思うか。

 赤松(あかまつ) よしもとさんは「自分が優しさだと思うことをある程度(ていど)の線(せん)を引(ひ)き、素直(すなお)にする」「お礼(れい)を言われたり、気分(きぶん)がよくなることは期待(きたい)しない」と答えている。私(わたし)も同(おな)じだ。

 浅田(あさだ) ラグビーをやっていて、鼻(はな)の骨(ほね)を折(お)った。大人(おとな)がずっと付(つ)き添(そ)ってくれた。そのとき、すごく優しい人だと感(かん)じた。逆(ぎゃく)に、付き添われるのがいやだと思う人もいるかもしれない。優しさとは難(むずか)しい。

 西川(にしかわ) マラソン大会で、みんなは「頑張(がんば)れ」と応援(おうえん)するが、本人には重荷(おもに)かも。僕(ぼく)なら相手(あいて)が優しさで言ってくれていると感じたら、いやでも受(う)け入れるけど。

 漆尾(うるしお) 「親がしてくれなかったこと、自分の環境(かんきょう)になかったことを優しさと判断(はんだん)することもある」と、よしもとさんは言う。でも、そうでないときもあるはず。優しさには強さと勇気(ゆうき)が一緒(いっしょ)についてくるから、重(おも)みが増(ま)す。

 −「苦手(にがて)な人に対(たい)する心構(こころがま)えは何か」「いやなテスト勉強(べんきょう)をどうすればいいか」といった質問は、みんなにとって身近(みぢか)な質問では。

 西川 苦手な人に対してはなるべく関(かか)わらない。どうしても関わらなければいけないとき、うまく受(う)け流(なが)したい。よしもとさんも苦手な人に対して「離(はな)れろ」と言っている。

 赤松 それは問題(もんだい)の解決(かいけつ)になっていない。苦手な人には、その人のどこが苦手か見つめ直す。どこがいやなのか考え、相手と話(はな)して、直(なお)してもらったり、苦手じゃないようにする努力(どりょく)をしないと。

 浅田 テスト勉強は僕もいやだ。よしもとさんは「逃(に)げないで、見ないこともしないでそこそこ集中(しゅうちゅう)したかなの程度(ていど)で勉強すればいい」と、答えている。僕もそう思う。テスト勉強が人生(じんせい)のすべてじゃない。ちょっと手を抜(ぬ)くときもあってもいい。

 漆尾 そんな考え、私は反対(はんたい)。人は集中してやらないといけないときがある。テスト勉強はいい例(れい)。やるときにはきちんとやらなければ。

 −ほかに心に残(のこ)った質問や答えはあるか。

 赤松 「女性(じょせい)が社会で働(はたら)くとき、何を心掛(こころが)けたらいいか」という質問の答えが心に残った。よしもとさんは「丁寧(ていねい)に適当(てきとう)」であることが一番だと言っている。丁寧に仕事(しごと)はするが、無理(むり)をせず、どこかゆるくてもいいと。力を抜くと、簡単(かんたん)に折れたりしない。

 浅田 僕は「死(し)への不安(ふあん)にどうしたら前向(まえむ)きな気持(きも)ちになるか」だ。教室から一歩(ぽ)外に出たら、天井(てんじょう)が落(お)ちてきて死んじゃうかもしれない。どんな人間でも、いつ死ぬか分からない。毎日、悔(く)いのないように生きたい。しようと思ったことは、その日のうちにしてしまうように心掛(こころが)けたい。

 漆尾 「時間を有効(ゆうこう)に使(つか)うには」は、だれでも関心(かんしん)がある質問。よしもとさんの答えは「目の前のことに集中する」。テストがあれば、それに向(む)かって努力し、運動会(うんどうかい)では一生懸命(いっしょうけんめい)走ろうと思う。日々(ひび)の目標(もくひょう)に集中することが、時間を有効に使えるということ。

 西川 僕は「憎(にく)しみからどうすれば解放(かいほう)されるか」。僕にもカッとなったり、衝動的(しょうどうてき)に怒鳴(どな)りたくなったりする。でも、ちょっと我慢(がまん)すれば、憎しみがさめてくる。よしもとさんが言っているように憎しみを育(そだ)てず、枯(か)らしてしまうことが大切(たいせつ)だ。

  (構成(こうせい)・浦上豊成(うらかみほうせい))

感想

赤松(あかまつ) よしもとさんの答えが、共感(きょうかん)したり、違(ちが)うなと思ったりしたが、分かりやすかった。

浅田(あさだ) よしもとさんは正直(しょうじき)に自分の考えをさらけ出していて、共感できた。

漆尾(うるしお) 質問(しつもん)を寄(よ)せた人も私(わたし)たちと同(どう)じように悩(なや)みながら、経験(けいけん)を重(かさ)ね大人(おとな)になったのに違(ちが)いない。

西川(にしかわ) 将来(しょうらい)、僕(ぼく)が人生相談(じんせいそうだん)を受(う)けたなら、自分の考えをきちんと話(はな)せる人になりたい。

 人生(じんせい)って? 現代作家(げんだいさっか)のよしもとばななさん(1964年、東京都(とうきょうと)生まれ)が2011年に著(あらわ)した人生相談書(そうだんしょ)。若(わか)い人たちの31の質問(しつもん)に、よしもとさんが分かりやすい言葉(ことば)で答えている。「一般論(いっぱんろん)になってもインチキになってしまうので、正直(しょうじき)に、長い間自分や人々(ひとびと)を見て気づいたことが、ここには書いてある」という。よしもとさんは、「キッチン」で海燕新人(かいえんしんじん)文学賞(しょう)を受(う)け、デビュー。「TUGUMI」で山本周五郎(やまもとしゅうごろう)賞を受賞(じゅしょう)。ほかに紫式部(むらさきしきぶ)文学賞、ドゥマゴ文学賞を受賞している。

 

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