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ニュースDe討論

石川県加賀市山代中3年 「原爆の日」と平和を考える 

広島(ひろしま)の平和記念式典(へいわきねんしきてん)の記事(きじ)を読んで話(はな)し合う生徒(せいと)たち((左)から上田(うえだ)さん、谷(たに)さん、三原(みはら)さん、東川(ひがしかわ)さん)=石川県加賀(けんかが)市山代(やましろ)中学校で

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 原爆投下(げんばくとうか)から七十二年目の八月六日、広島県(ひろしまけん)広島市で平和記念式典(へいわきねんしきてん)が営(いとな)まれました。松井一実(まついかずみ)市長が「平和宣言(せんげん)」を読み上げ、市内(しない)の小学生(しょうがくせい)二人が「平和への誓(ちか)い」を宣言しました。この記事(きじ)について、石川県加賀(かが)市山代(やましろ)中学校三年の生徒(せいと)たちが話し合いました。

今回の論点(ろんてん)

・「平和宣言(へいわせんげん)」や「平和への誓(ちか)い」を読んで何を考えたか。

・核兵器禁止条約(かくへいききんしじょうやく)の日本不参加(ふさんか)についてどう思うか。

・若(わか)い人たちは平和に向(む)けて何をしたらいいか。

出席者

東川(ひがしかわ)太陽(たいよう)さん

三原(みはら)紅(べに)さん

谷(たに)優一(ゆういち)さん

上田(うえだ)七彩(なさ)さん

核の罪 世界に訴える

8月7日付1面

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 −広島(ひろしま)市の松井一実(まついかずみ)市長の「平和宣言(へいわせんげん)」や子どもたちの「平和への誓(ちか)い」を読んで、みんなは何を感じたか。

 谷(たに) 広島に原爆(げんばく)が落(お)とされた日。黒く焼(や)け焦(こ)げた多数(たすう)の屍(しかばね)が散(ち)らばり、河原(かわら)はやけどした半裸(はんら)の人で足の踏(ふ)み場(ば)もない。まさに地獄(じごく)だと「平和宣言」で表現(ひょうげん)している。悲惨(ひさん)な状況(じょうきょう)だったんだ。

 三原(みはら) 「平和宣言」では核兵器(かくへいき)を「絶対悪(ぜったいあく)」と言っているのには、考えさせられた。罪(つみ)のない人々(ひとびと)がむごたらしく死(し)んで、生き残(のこ)った人たちにも健康不安(けんこうふあん)など心身(しんしん)に深(ふか)い傷(きず)を負(お)わせた。核兵器にはいいところが何一つない。私(わたし)たちは二年生のとき、修学旅行(しゅうがくりょこう)で広島に行ってきたから、原爆の悲惨さがよく分かる。

 東川(ひがしかわ) 広島の子どもたちが宣言した「平和への誓い」に心を打(う)たれた。当時、小学生だった語(かた)り部(べ)の方が「亡(な)くなった母と姉を見ても涙(なみだ)が出なかった」と言っている。大切なものが奪(うば)われ、心の中に深い傷を負ったから、涙も出ないのだ。

 上田(うえだ) 「平和への誓い」には「今、広島はよみがえり、人々の笑顔(えがお)があふれる街(まち)になり、緑(みどり)いっぱいの街になった」とある。苦(くる)しい中で、広島の人々は必死(ひっし)で生きた。そして、復興(ふっこう)への強い思いや願(ねが)いがあったから、よみがえった。

禁止条約不参加は残念

 −「平和宣言」では、日本が核兵器禁止条約(きんしじょうやく)に不参加(ふさんか)だったことにも触(ふ)れている。これについて、どう考えるか。

 上田 日本が条約に参加しなかったのは残念だ。式典(しきてん)に参加した安倍晋三首相(あべしんぞうしゅしょう)はあいさつで「唯一(ゆいいつ)の戦争被爆(せんそうひばく)国として核兵器のない世界(せかい)を目指(めざ)す」としながらも、条約に参加しなかった。だから、被爆者(しゃ)たちは怒(いか)るのは当然(とうぜん)だろう。

 谷 「平和宣言」の中に「核抑止(かくよくし)という概念(がいねん)にとらわれるな」とある。核があるから国がお互(たが)いに攻撃(こうげき)しないという考え方だ。核保有(かくほゆう)国が核抑止という考えに縛(しば)られているから、核兵器は結局(けっきょく)なくならない。一刻(いっこく)も早く核兵器をすべてなくさないと。

 三原 私は核兵器禁止条約がもうとっくに世界にあると思っていたが、最近(さいきん)できたと知って、驚(おどろ)いた。平和宣言の中にある「核の傘(かさ)」という言葉は、よくない。核保有国に守られて、日本は自国の安全(あんぜん)を維持(いじ)している。核兵器禁止なんていえるはずもない。

 東川 どんな理由をつけても核兵器を持ってはいけない。核兵器が地球上(ちきゅうじょう)にあるだけで、真(しん)の平和なんてありえない。被爆国の日本は率先(そっせん)して条約は参加すべきだった。

私たちの役割 ひしひし

−平和のためにみんなが果(は)たす役割(やくわり)は何か。

 三原 原爆が落とされた広島や長崎(ながさき)の状況をもっと世界中(せかいじゅう)に発信(はっしん)すればいい。核戦争の悲惨さや核兵器廃絶(はいぜつ)をしっかり訴(うった)えていく。

 谷 日本は唯一の被爆国なのに、核兵器禁止条約にも参加しない。そろそろ日本はそんなところから、本気(ほんき)で世界の平和を考え、次(つぎ)の段階(だんかい)に移(うつ)ろう。僕(ぼく)はそのために何かしたい。

 上田 被爆者の平均年齢(へいきんねんれい)が高くなり、原爆の悲惨さを伝(つた)える人が少(すく)なくなっている。原爆を落とされたことなど忘(わす)れ去(さ)られてしまう。若(わか)い私たちが、次の世代(せだい)に核兵器を「絶対悪」として伝えていかないといけない。

 東川 核兵器という「絶対悪」に対抗して、「絶対平和」でいきたい。どんなことがあっても平和を守るんだという気持ちを大切にしたい。

  (構成(こうせい)・浦上豊成(うらかみほうせい))

 「原爆(げんばく)の日」 太平洋戦争末期(たいへいようせんそうまっき)の1945年8月6日に広島(ひろしま)、9日に長崎(ながさき)に人類史上初(じんるいしじょうはじ)めて原爆が落とされた。死者(ししゃ)は広島約(やく)14万人、長崎約7万人と推計(すいけい)されている。毎年広島、長崎では、平和記念(へいわきねん)(祈念(きねん))式典(しきてん)が開(ひら)かれている。今年(ことし)、広島の式典では、松井一実(まついかずみ)市長は「平和宣言(せんげん)」で、7月に採択(さいたく)された核兵器禁止条約(かくへいききんしじょうやく)(日本は不参加(ふさんか))に触(ふ)れ、核廃絶(かくはいぜつ)への取(と)り組(く)みをさらに前進(ぜんしん)させるよう各国(かっこく)に呼(よ)び掛(か)けた。広島市内(しない)の小学生代表(だいひょう)2人が「平和への誓(ちか)い」を宣言した。安倍晋三首相(あべしんぞうしゅしょう)も式典に参加(さんか)、あいさつに立ったが、条約には特(とく)に触(ふ)れなかった。

感想

東川(ひがしかわ) まわりの人の意見(いけん)に学(まな)ぶことが多かった。平和(へいわ)に向(む)け、自分なりに努力(どりょく)していきたい。

三原(みはら) 平和について、なにかしたいと思った。ちょっとしたことでもいいから始(はじ)めたい。

谷(たに) 「平和宣言(せんげん)」や「平和への誓(ちか)い」を読んでみたら、核兵器(かくへいき)を絶対(ぜったい)なくさないといけないと思った。

上田(うえだ) 新聞を読(よ)んで、意味(いみ)がわからなかったり、初(はじ)めて聞(き)いた言葉(ことば)が出てきた。とても勉強(べんきょう)になった。 

 

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