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ニュースDe討論

石川県立金沢錦丘中3年 「学ぶこと 思うこと」(加藤周一著)を読んで 

「学(まな)ぶこと 思うこと」を読んで話(はな)し合う生徒(せいと)たち((左)から高橋(たかはし)さん、長澤(ながさわ)さん、種田(たねだ)さん)=石川県金沢(けんかなざわ)市の金沢錦丘(にしきがおか)中学校で 

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問題意識 知識深める

 新聞記事(しんぶんきじ)について中学生が議論(ぎろん)を繰(く)り広げる「ニュースDe討論(とうろん)」。前回に続(つづ)き今回も特別編(とくべつへん)として、本を読んで印象(いんしょう)や感想(かんそう)を話(はな)し合う「読書(どくしょ)De討論」をお届(とど)けします。石川県立金沢錦丘(けんりつかなざわにしきがおか)中学校三年の生徒(せいと)たちに加藤周一(かとうしゅういち)の「学(まな)ぶこと 思うこと」を読んでもらいました。生徒たちはどのように感(かん)じたのでしょうか。

出席者

 種田(たねだ) 彩花(あやか)さん

 長澤(ながさわ) 礼太(れいた)さん

 高橋(たかはし) このみさん

今回の論点(ろんてん)

・「学ぶこと」と「思うこと」の違いは?

・「学ぶ」ために大切なのは?

・自分の悩みはどう解決したらいい?

詰め込みはすぐ忘れる

 −みんなはこの本を読んでみて「学(まな)ぶこと」と「思うこと」はどう違(ちが)うと思ったか。

 種田(たねだ) 「学ぶこと」とは、これまで学校などで教わった知識(ちしき)のこと。「思うこと」は「これが問題(もんだい)だ」と意識(いしき)することだと言っている。私(わたし)たちは学ぶことから始(はじ)まるが、何が問題なのかということも考えないといけない。でないと、努力(どりょく)して覚(おぼ)えた知識を生かせない。逆(ぎゃく)に「思うこと」だけで「学ぶこと」がなかったら、結果(けっか)につながらない。

 長澤(ながさわ) 試験勉強(しけんべんきょう)のため、一生懸命(いっしょうけんめい)覚えた知識は、試験が終(お)わるとすぐに忘(わす)れてしまう。でも、日常(にちじょう)生活の中で使(つか)った知識は、決(けっ)して忘れはしない。そういえば、町会(ちょうかい)の行事(ぎょうじ)や祭(まつ)りの手伝(てつだ)いで学んだ知識は忘れない。 

 高橋(たかはし) 私は大した興味(きょうみ)も持(も)たずに、試験のためだけとりあえず、知識をたくさん詰(つ)め込(こ)んでいる。「学ぶこと」はしているけど、「思うこと」を意識しなかった。問題意識をもちたいなと思う。

伝えるには具体的な言葉

加藤周一著(かとうしゅういちちょ)「学(まな)ぶこと 思うこと」(岩波(いわなみ)ブックレット) 

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 −筆者(ひっしゃ)は「学ぶ」ためには言葉(ことば)が特(とく)に大切だと言っている。

 種田 言葉は、記号(きごう)のようなもので、自分の考えをまとめたり、理解(りかい)したりするのに必要(ひつよう)。言葉は、固有名詞(こゆうめいし)のほかはほとんど、幅広(はばひろ)い意味(いみ)を持ったり、人によっていろんなことを連想(れんそう)してしまうあいまいなところがある。

 長澤 「冬」という言葉は、一般(いっぱん)には寒(さむ)い感(かん)じだが、こたつとか暖房器具(だんぼうきぐ)とか、暖(あたた)かいイメージを持つ人もいる。言葉は人によって受(う)け取(と)り方が違う。だから、言葉は、できるだけ具体的(ぐたいてき)で正確(せいかく)でなければ、きちんと伝(つた)わらない。

 高橋 言葉の分類(ぶんるい)も重要(じゅうよう)だと言っている。「国」という言葉を例(れい)に分類すると。地域(ちいき)で分類すると、「アジア」「ヨーロッパ」「アメリカ」などに分類される。気候(きこう)だと、「熱帯(ねったい)」「温帯(おんたい)」「寒帯(かんたい)」など。その言葉が適切(てきせつ)な分類かどうかも考えて使っていきたい。

 −みんなは現在(げんざい)、悩(なや)んだり、問題だと思っていることはあるかな。それはどう解決(かいけつ)すべきだと思うか。

 高橋 私は英語(えいご)が苦手(にがて)だ。授業(じゅぎょう)で学んで復習(ふくしゅう)もしているけど、あまり得意(とくい)じゃない。どうして英語を勉強しなければならないかという理由(りゆう)がよくわかっていないからだと思う。なぜ学ばねばならないか、問題意識をもてば、英語学習(がくしゅう)はもっと面白(おもしろ)くなるかなと。

 種田 私もかつて国語の古典(こてん)が苦手だった。どうしてやらなくちゃいけないのか悩んだ。ある先輩(せんぱい)が古典をどう学べばいいか、面白さを教えてくれたので、苦手意識がなくなった。学ぶためには、面白さや必要性(せい)を知ることが大切だよ。

 長澤 僕(ぼく)はいま、将来(しょうらい)、何を目指(めざ)したらいいのか悩んでいる。これから高校や大学に進(すす)むにしても、その先、どんな職(しょく)につけばいいのか。どう生きたらいいのか。そのためには、いまからどんな能力(のうりょく)を身(み)に付(つ)ける必要があるのか。進路(しんろ)はどうあるべきか。悔(く)いの残(のこ)らないようにこれからあれこれ調(しら)べて考えてみたい。

 (構成(こうせい)・浦上豊成(うらかみほうせい))

 =毎月最終(さいしゅう)日曜日に掲載(けいさい)。

 来月は通常(つうじょう)の「ニュースDe討論(とうろん)」を掲載します。

 学(まな)ぶこと 思うこと 文芸評論家(ぶんげいひょうろんか)・作家(さっか)の加藤周一(かとうしゅういち)(1919〜2008年)が2002年6月6日、東京大学教養学部(きょうようがくぶ)学生自治(じち)会が主催(しゅさい)した新入生(しんにゅうせい)を対象(たいしょう)とした講演(こうえん)会で話した内容(ないよう)を基(もと)に再構成(さいこうせい)した。著書(ちょしょ)は、「学ぶこと」と「思うこと」の違(ちが)いを示(しめ)した上(うえ)、学ぶだけでは、問題(もんだい)を解決(かいけつ)できないし、問題意識(いしき)があっても学ばないと解決しない。自分で判断(はんだん)をするには、まず「思うこと」そしてもっと「学ぶこと」が必要(ひつよう)だと説(と)いている。 

感想

 種田(たねだ) いつも読む小説(しょうせつ)や物語(ものがたり)と違(ちが)って、ちょっと難(むずか)しい内容(ないよう)だった。読み終(お)わったら、とてもためになったと感(かん)じた。

 長澤(ながさわ) 本を読んで討論(とうろん)したことがなかったので、いい経験(けいけん)になった。ものごとを深(ふか)く考えることができた。

 高橋(たかはし) 自分の考えがきちんと話(はな)せるか心配(しんぱい)だった。でも思ったよりうまく話せたし、他(ほか)の二人の意見(いけん)も勉強(べんきょう)になってよかった。

 

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