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ニュースDe討論

石川県金沢市犀生中2年 「友情」を読んで

「友情(ゆうじょう)」を読んで感想(かんそう)を話(はな)し合う生徒(せいと)たち((左)から松村(まつむら)さん、作本(さくもと)さん、納谷(なや)さん)=石川県金沢(けんかなざわ)市犀生(さいせい)中学校で

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 毎月一回、その時々(ときどき)の話題(わだい)について中学生が話(はな)し合う「ニュースDe討論(とうろん)」。今回は特別編(とくべつへん)として、石川県金沢(けんかなざわ)市犀生(さいせい)中学校の二年生三人に、本を読んで議論(ぎろん)する「読書(どくしょ)De討論」に挑戦(ちょうせん)してもらいました。読んだ本は武者小路実篤著(むしゃのこうじさねあつちょ)の「友情(ゆうじょう)」。この名著(めいちょ)は若(わか)い人たちにどう響(ひび)いたのでしょうか。

出席者

 納屋(なや)沙也奈(さやな)さん

 作本(さくもと)遥香(はるか)さん

 松村(まつむら)歩乃花(ほのか)さん

変わらぬ友情大切に

微妙な人間関係難しい

 −この小説(しょうせつ)を読んでみて、どう思ったか。小説に登場(とうじょう)する「野島(のじま)」「大宮(おおみや)」「杉子(すぎこ)」に何を感(かん)じた?

 納屋(なや) 読んで思ったのは、少女漫画(しょうじょまんが)では、男がグイグイと引っ張(ぱ)っていくことが多いけど、この小説は、主人公(しゅじんこう)の野島がうじうじしすぎている。恋(こい)をしても自分の誇(ほこ)りを捨(す)てきれず、考えと行動(こうどう)が一致(いっち)していない。あまり好(す)きになれない。

 作本(さくもと) そう、野島は自分勝手(じぶんがって)。その点、大宮は、友情(ゆうじょう)を大切にして野島の恋愛(れんあい)を応援(おうえん)している。とてもいい人(ひと)だ。杉子は本心を表(おもて)に出さず、誰(だれ)とでもうまく接(せっ)している。そつがない。 

松村(まつむら) 三人の関係(かんけい)は微妙(びみょう)で複雑(ふくざつ)。野島は自己(じこ)中心的(てき)で、視野(しや)が狭(せま)い。大宮は杉子の愛(あい)を感じると、逆(ぎゃく)に友情のために突(つ)き放(はな)している。カッコいい。杉子はあんなに野島が好きだと言っているのに、気にも掛(か)けない。私(わたし)は、杉子が野島に冷(つめ)たすぎるんじゃないかと思ったほど。

武者小路実篤著(むしゃのこうじさねあつちょ)「友情(ゆうじょう)」(新潮文庫(しんちょうぶんこ))

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 −パリに行ってしまった大宮、大宮を追(お)い掛けてパリに旅立(たびだ)った杉子、大宮が書いた小説を読んだ野島の態度(たいど)をどう思うか。

 作本 大宮は友情を守(まも)りたかったからパリに行った。だけど、杉子もパリにやってきた。その熱(あつ)い思いに勝(か)てなかった。野島は、大宮がなぜパリに行くのか、深(ふか)く考えれば、分かったはずなのに、分からなかった。周(まわ)りが見えないから、あとで真実(しんじつ)を知って逆上(ぎゃくじょう)することになった。ほんとは、野島自身(じしん)が悪(わる)い。

 松村 大宮は日本にいたとき、杉子には冷たかったけど、パリでは、愛し合うようになった。結局(けっきょく)は、大宮も「神様(かみさま)」じゃなくて、普通(ふつう)の人間だった。そう思うと、大宮に親(した)しみがわいてきた。

 納屋 野島は、大宮がパリに行ったのはラッキーだと思った。その後、結婚(けっこん)を申(もう)し込(こ)んでいる。ふられたけど。杉子がパリに旅立ったのは、かなりショックだったろう。野島は杉子を美化(びか)しすぎて、自分勝手な理想像(りそうぞう)を作り上げてしまった。それがいやで杉子は野島を避(さ)けたんだ。こんな結果(けっか)になったけど、大宮はこれからも野島と友情を続(つづ)けたいと思っているだろう。でも、野島は絶交(ぜっこう)するだろう。性格(せいかく)からいって。

男女間でも友情は存在

 −みんなはどんなときに友情を感じるか。男女(だんじょ)間でも友情は存在(そんざい)するだろうか。

 納屋 小学校のとき、仲(なか)の良(よ)かった女子(じょし)の友人(ゆうじん)が部活動(ぶかつどう)をするために、違(ちが)う中学校に進(すす)んだ。学校は別々(べつべつ)になったけど、いまでも、LINE(ライン)などでいろんなことを相談(そうだん)したり、友情をはぐくんでいる。昼休みに男子生徒(だんしせいと)ともしゃべるけど、男女間の友情もあるんじゃないかな。

 作本 やることがいっぱいあって困(こま)っていたら、女子の友達(ともだち)が助(たす)けてくれた。そのとき、すごく友情を感じた。男女間の友情も存在すると思う。

 松村 男女の間にも友情はあるよ。私も一度(ど)、男子との友情が壊(こわ)れかかったが、また元に戻(もど)って友情は続いている。変わらぬ友情は大切にしたい。

 (構成(こうせい)・浦上豊成(うらかみほうせい))

 =次回は読書De討論を予定。最終日曜日掲載

感想

 納屋(なや) この小説(しょうせつ)には難(むずか)しい言葉(ことば)や分からないところがあった。でも、みんなで話(はな)し合ったり、調(しら)べたりして、よく分かるようになった。

 作本(さくもと) ふだん読まない小説をきちんと読めるのかどうか不安(ふあん)だったが、読むことができた。

 松村(まつむら) 恋愛(れんあい)や友情(ゆうじょう)といった微妙(びみょう)な人間関係(かんけい)について深く考えることができた。

 友情(ゆうじょう) 近代(きんだい)日本を代表(だいひょう)する小説家(しょうせつか)・武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)(1885〜1976)の初期(しょき)の小説。脚本(きゃくほん)家の野島(のじま)が、美(うつく)しい杉子(すぎこ)に出会って恋(こい)に陥(おちい)る。親友で作家(さっか)の大宮(おおみや)に熱(あつ)い思いを打(う)ち明(あ)け、応援(おうえん)してもらう。大宮が突然(とつぜん)、ヨーロッパに旅立(たびだ)ち、その後、杉子もヨーロッパに向(む)かう。そのあと、野島の元に届(とど)いた小説には、大宮と杉子が抱(いだ)き続(つづ)けた恋心(こいごころ)と野島への思いが書かれていた。友情と恋愛(れんあい)を描(えが)いた小説。

 

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