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【子どもと読もう】先人群像七話

先人群像七話(ななつばなし) かつおきんや著(ちょ) 能登印刷出版部(のといんさつしゅっぱんぶ) 1600円(税別(ぜいべつ))

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 約(やく)300年前、加賀藩(かがはん)の森田盛昌(もりたもりまさ)が著(あらわ)した『咄随筆(はなしずいひつ)』を素材(そざい)に、城下町金沢(じょうかまちかなざわ)の人々(ひとびと)の暮(く)らしを物語(ものがたり)にしたものです。 

 当時は子どもも働(はたら)き手でした。第(だい)3話は、10歳(さい)でタマの子守(こもり)に雇(やと)われたモンが、1年後には子守をしながら、炊事(すいじ)もこなす一人前の働き手となる姿(すがた)が生き生きと描(えが)かれています。タマが貝のさじのかけらを飲(の)み込(こ)み、ひん死(し)の状態(じょうたい)になった時、モンはタマの大好(だいす)きな数(かぞ)え歌を歌い続(つづ)けます。やがてタマも小さな声で歌い出します。モンの必死(ひっし)な姿が印象的(いんしょうてき)です。

 成長(せいちょう)したら、こんな大人(おとな)になりたいと思う人物(じんぶつ)が多く登場(とうじょう)するのもこの本の魅力(みりょく)です。第2話に登場する八蔵(はちぞう)は、倒(たお)れてくる松(まつ)の木から姫君(ひめぎみ)を守(まも)り、そのため歩行不能(ほこうふのう)となります。いまは傘職人(かさしょくにん)として働いていますが、人柄(ひとがら)を慕(した)って人生相談(じんせいそうだん)に訪(おとず)れる人(ひと)が後を絶(た)ちません、

 第1話は「七草の日の夜の客(きゃく)」です。夜の客の招待(しょうたい)は誰(だれ)だったのでしょうか。こんな心温(こころあたた)まる、そして不思議(ふしぎ)な話もあります。

 当時の街並(まちな)みや地名(ちめい)が詳細(しょうさい)に描かれているのも特徴(とくちょう)です。個性豊(こせいゆた)かな登場人物を想像(そうぞう)しながら歩いてみてはいかがですか。

 さまざまな角度(かくど)から楽しめる本です。中学生の方、ぜひ読んでください。(金沢子どもの本研究会(けんきゅうかい) 深川明子(ふかがわはるこ))

 

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