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【わたしと新聞】河野祐子(中) モヤモヤとけた縮刷版

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 新聞(しんぶん)の思い出を振(ふ)り返(かえ)ったとき、いつも必(かなら)ず思い出すことがある。小学校の頃(ころ)、私(わたし)は読書(どくしょ)がさほど好(す)きではなかった。しかし、田舎(いなか)の小学生の娯楽(ごらく)など大したものもなく、友達(ともだち)となんとなく町の小さな図書館(としょかん)へ行き、なんとなく本の背表紙(せびょうし)を眺(なが)め、何かを借(か)りて帰る。

 そんな図書館で、新聞の縮刷版(しゅくさつばん)があることを知った。私と友達は図書館に行っては縮刷版ばかり見ていた。自分たちの誕生(たんじょう)日や一年前の今日(きょう)などいろんな過去(かこ)の記事(きじ)を見ながら時間はあっという間に過(す)ぎて行った。

 あるとき、学校帰りの会話の中で、どうしても思い出せないドラマのタイトルが出てきた。出演者(しゅつえんしゃ)やドラマの内容(ないよう)も思い出せるのに私たちはどうしてもそのタイトルが思い出せない。モヤモヤがピークに達(たっ)した頃、縮刷版の存在(そんざい)を思い出した。私たちは閉館間際(へいかんまぎわ)の図書館へ走った。そして、かなりのテレビ欄(らん)を探(さが)し、やっとお目当てのドラマにたどり着(つ)いた。静(しず)かにしなければならない図書館で、あまりのうれしさに二人とも笑(わら)いがこらえきれず顔が熱(あつ)く真(ま)っ赤(か)になった。今でも鮮明(せんめい)に思い出される。ある夏の日の夕暮(ゆうぐ)れ時であった。(こうの・ゆうこ 石川県川北(けんかわきた)町川北中学校)

 

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