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北経随想|アジア随想

トランポノミクスへの対処 浜本学泰

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 二〇一七年の世界経済の動向は、トランプ米大統領が鍵となるのは間違いない。株式市場や為替市場はそれらをいまだ適正に評価できずにいる。この不透明な環境下においては、ポジティブ要因とネガティブ要因を書き出し、影響を精査しておくことが肝要だ。

 トランプ大統領の政策のうちポジティブ要因は、大幅な減税と規制緩和策にある。これらが現実化してくれば米国経済は活気を取り戻すだろう。市場はこれをすでに織り込み、株価は上昇、長期金利も上昇している。米国内の景気拡大傾向はより確かなものになる可能性が高い。

 一方、ネガティブ要因は強硬な保護貿易政策にある。トヨタ自動車のメキシコ工場建設を牽制(けんせい)したり、日本や欧州の通貨安政策を批判していることからも、米国の貿易赤字の縮小に強いこだわりを見せている。このトランポノミクスの政策はよくレーガノミクスと比較されるが、同様の政策を取ってくるならば、日本や中国に通貨切り上げを迫る可能性もあると考える。

 最も不透明なのは日本の輸出産業の影響だ。米国の環太平洋連携協定(TPP)離脱により、輸出品に高関税をかけられるリスクが高まった。自動車、建機など、北米売上比率の高い企業の業績に懸念が出てくる。北陸にも米市場への輸出を行っている企業が多く存在するが、関税や為替に関して注意が必要であると考える。

 企業や個人はどう対応していくべきだろうか。企業においては「米国リスクを軽減させておくこと」が業績のためには必要であろう。他の市場にテコ入れしたり、米国以外の分野で業績を伸ばす努力をするべきである。

 個人においては、投資という観点では、米国の景気回復の恩恵を取りに行くか、より確かな金などへの投資を増やしていくべきだろう。投資は先の見通しにくい長期投資よりも、より先が見えやすい短期投資の優位性が高まるだろう。 (アーニングアカデミー金沢本校代表)

 はまもと・たかやす 1973年、石川県小松市生まれ。一橋大商学部卒。野村証券、メリルリンチ日本証券、独立系投資顧問会社などを経て2008年、個人投資家に。15年、金沢市に投資スクール「アーニングアカデミー金沢本校」を設立した。

 

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