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北経随想|アジア随想

開創1300年に向かって 木崎馨山

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 那谷寺は泰澄、弟子たちによって七一七(養老元)年に白山信仰の寺として誕生しました。

 来年は白山比●(ひめ)神社(石川県白山市)、長滝白山神社(岐阜県郡上市)、平泉寺白山神社(福井県勝山市)で、泰澄の白山開山千三百年祭が催され、那谷寺でも期を同じく来春、本尊の御開帳法要や白山開山神式大祭が行われます。

 那谷寺は戦乱などにより三度も焼失し、天正年間(一五七三〜九二年)に廃寺となりましたが、加賀藩三代藩主前田利常公が旧建造物を調査、復元し、奇岩遊仙境を中心とする風景がよみがえりました。利常公には感謝しなければなりません。

 昭和期に建造物七棟が国重要文化財に、書院庭園が名勝に指定され、二年前には、岩山を中心とする風景が「おくのほそ道」の景観として名勝となりました。ミシュラン一つ星に選ばれ、今年は、那谷地区が寺も含め古代に流通した管玉(くだたま)の里として日本遺産にも認定され、ありがたく思っております。

 一九九〇年までには金堂も再興され、青苔(せいたい)が衣を着せたように境内を覆い、手付かずの森が取り囲み、幽邃(ゆうすい)な自然の道場になっています。

 那谷寺は黄泉から帰る胎内くぐりや白山信仰に基づいています。それは生きとし生けるものの魂の禊(みそぎ)の聖地で、泰澄の自然を信仰する自然智(じねんち)の世界です。地球温暖化が進むなか、人間中心ではなく、密教曼荼羅(まんだら)の教えや生命はすべてに宿るという信仰も大切です。

 私が住職を拝命してより四十九年間、千三百年祭という最も重要な大祭で締めくくることに、大きな神仏のご縁を感じています。これからも泰澄の精神を受け継ぎ、自然とともに境内を護(まも)らせていただきます。 (那谷寺住職)

 きざき・けいせん 1942(昭和17)年生まれ。高野山大仏教学科卒業。67年から高野山真言宗別格本山那谷寺の第16代住職。社会福祉法人自生園理事長。那谷寺清水基金代表としてチベット難民や東日本大震災の被災地支援にも関わる。

●は、くちへんに羊

 

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