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北経随想|アジア随想

マンパワーで観光振興 辻貴弘

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 熊本県観光連盟の招きで九州新幹線全線開業以降、初めて熊本駅に降りた。開業が七年ほど前倒しとなったため、在来線の高架化と駅ビルの整備事業が間に合わず、工事の真っ最中だった。「くまモン」の活躍もあり、県内一の観光スポット、熊本城の入城者数は倍増したと県職員から聞かされた。

 北陸新幹線開業から半年余の石川県はどうだろうか? 世界で最も美しい駅に日本で唯一選ばれた金沢駅には多くの人々が降り立ち、東口(兼六園口)ではカメラを構えた人たちに圧倒される。マップ片手に街中へ大勢の人が徒歩移動する現象は県民の想定外だった。近江町、金沢城、兼六園、21世紀美術館、ひがし茶屋街に観光客が集中している。

 開業以降の主な観光地・施設は軒並み前年度比二〜三倍の驚異的な数字を記録。街中を歩く外国人観光客も圧倒的に増えている。レンタサイクルを使って上手にコンパクトシティ化した金沢をさっそうと走る姿も。今まであまり目にとどめなかった光景が広がっていることも新幹線効果と言える。

 朝の連続ドラマや特別仕様列車などによる誘客効果が実を結んでいることが能登地区からも聞こえてくる。

 しかし金沢市近郊や周辺自治体からは景気の良い話を耳にしない。終着駅の一人勝ちに近い様相に、新幹線開業に向けて努力してきた自治体や商業者、特に観光関連事業に携わる人たちにとっては残念な結果となっている。

 金沢市と隣接している地区にとっていかに金沢に来た人たちに寄ってもらうかが今後の課題。ヒントは富山県などの戦略にありそうだ。待ちの態勢ではなく、攻めの姿勢が必要である。従来通りの観光パンフレットをばらまく方法では打破できない。マンパワーが必須、というのが私の持論である。

 つじ・たかひろ 1960年石川県鶴来町(現白山市)生まれ。82年青山学院大文学部史学科卒。93年同県に帰郷。県内観光関係初のNPO法人加賀白山ようござった設立。ほっと石川観光マイスター。55歳。

 

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