トップ > 北陸中日新聞から > 北陸けいざい > 北経随想|アジア随想 > 記事

ここから本文

北経随想|アジア随想

身近な地球感じる 村田寛

写真

 いつも聞かれることがある。旅行会社に勤めているせいか「開業した北陸新幹線と飛行機、やはり東京へ行くなら北陸新幹線の方がよいですか?」と。シチュエーションや目的などが違うと、どれを利用しようか基本的には選択することになる。

 仕事では、私どもの東京支店がある東京・渋谷区には飛行機を利用することが多い。一方、千代田区丸の内での打ち合わせでは、北陸新幹線を利用することもある。ただ、今は断然、飛行機を利用することが多い。

 それには僕のこだわりがある。晴れた日の場合、雲の隙間から見える立山連峰の素晴らしさには圧倒される。また、よい天気の場合、その奥には富士山まで見えることになる。

 南は富山と岐阜両県の県境の北ノ俣岳、黒部五郎岳を経て、三俣蓮華岳で、北アルプスの主な稜線(りょうせん)と合流する。黒部川を隔てて立山連峰と対峙(たいじ)している。富山平野から望むことのできる北アルプスは大部分が立山連峰である。その光景は他の国内の山々を圧倒する。

 日本の三大霊山のうち二つの霊山を拝めるのは、飛行機しか選択肢はない。そんな時に機長がタイミングよく「数ある移動交通の中、全日空を選んでいただきありがとうございます。当機は…」とアナウンスする。なんか人間らしくてうれしい。富山の街の風景に溶けこんだ立山連峰。古くは万葉集でも詠まれ、信仰と畏敬の念を持って仰ぎみられた雄大なる眺望。今も昔も、富山に住む人や訪れる人の心を強く打つ。

 富山を象徴する景観なので、飛行機ですか? またはJRですか? という質問はナンセンスなのかもしれない。  (西部トラベル社長)

 むらた・ひろし 1964年、富山県南砺市生まれ。砺波工業高卒業後、地元のメーカー、旅行会社勤務を経て、91年に独立し、旅行会社「西部トラベル」を設立。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索