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北経随想|アジア随想

在住外国人のもてなし 高禎蓮

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 二〇二〇年の東京五輪開催を受け、政府は訪日外国人観光者数を二千万人という目標を掲げています。日本の原風景を保つ石川県奥能登地方は、海外の日本ファンを迎えるのに最適な場所の一つだと思います。では、受け入れの準備はいつやるのか? 今でしょう!

 人口約三万人の輪島市には二百二十五人の在住外国人がいます。学生や仕事従事者、日本人配偶者、在日三世、永住者などいろんなビザで滞在しています。私もそのうちの一人です。

 私は九年前に輪島へ嫁ぎました。住んでみると周りの人々はとても優しく、いろんなことを教えてくれました。おいしい食材、優れた伝統工芸、祭り文化など、ほっとする場所です。

 この環境は東京では味わえないと思います。この気持ちを誰かに伝えたい。きっと共鳴してくれる外国人はたくさんいるはず。四、五年前から私の目線で情報を発信し、台湾で輪島塗の紹介もしました。最近では旅行会社からの問い合わせも増えてきました。

 昨年は県の委託事業で、新たな在住外国人スタッフを育成しました。英語や中国語で対応できるマンパワーが増えました。私たちはプロではないですが、輪島にくる外国人旅行者が言葉に困ることなく情報が収集でき、楽しんでほしいと思っています。私たちは輪島の人々に優しくしてもらったから、同じように外国人旅行者に体感させてあげられたらと思っています。

 この形を「輪島スタイル」として残したいと考え、市観光協会とタイアップしてボランティアで運営を続けています。「自分の出番がある」と感じ、いきいきと取り組む在住外国人スタッフを見ると、心からうれしくなります。

 観光スペシャリストをわざわざ呼ばなくても、ここには優れた人材がいます。地域の力を生かした観光戦略だと考えます。今後は「漆の里・輪島」で、日本文化を背景に継承されてきた最高の漆芸品を世界へ紹介することに力を入れたいと考えています。日本文化の素晴らしさを世界へ発信し、この地域に貢献することが私の夢です。

 1974年、台湾・台北生まれ。95年、留学で石川県へ。県内の温泉旅館や大手メーカーの海外窓口担当として勤務した後、結婚して輪島へ。外国人誘客や輪島塗のオーダーメードなどに携わる「朱澤(あかさわ)」を設立、代表を務める。

 

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