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北経随想|アジア随想

グローバル人材育成 寺尾重資

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 北陸AJECが実施したアンケートで、海外展開を「考えていない」「考えられない」の理由の三番目に「人材がいない」が挙げられた。その人材育成で必要なこととしては、日本人に対する語学力の育成が七割を占めた。一方で、留学生の活用にはためらいが見られた。

 今後の人口減少なども踏まえ、事業の国際化を考えることは必要であるとして、産官学が集まり、北陸地域のグローバル人材について研究会を開いた。

 その議論から、日本人に求められるグローバル人材の要件は自律性や実践能力、日本人として自己のアイデンティティーが確立されている、異文化を理解する力−であった。語学力ではなかった。

 また、北陸地域で学んだ学生の地域外流出も課題とされた。日本人、留学生に限らず当地で学んだ学生を地元に就職させる必要がある。地域企業の魅力を伝えるため、学生と企業の接点を増やすことが求められる。

 さらに産学連携について、俗人的な形の支援となりがちなため、一層の接点を創出するには、俗人的なつながりによらない「仕組み」が必要とされた。

 研究会の参加者は、各主体の取り組みや考え方を知ることができ、つながりをつくることができる場は良かったとの結論で一致した。

 今後は、留学生の活用も重要。二国間の文化、社会を理解した人材を活用しない手はない。企業へのアンケート、留学生に関する大学へのアンケートから、企業はコミュニケーション能力や生活習慣・文化の違い、定着率に懸念を抱いている。一方の大学は留学生寄宿舎の確保や奨学金制度の充実など経済支援の充実、留学生への就職情報・機会の提供を充実、卒業後のフォローなど、留学生を多く抱えながら十分に対応できていない実態がうかがえる。

 これらも北陸三県の産官学が連携することで解決でき、前進することが可能ではないかと考える。

 てらお・じゅうじ 1974(昭和49)年上智大卒。北陸電力入社後、97年北陸経済連合会(北経連)理事事務局長、2003年同専門部長、05年同常務理事、北陸AJEC(北陸環日本海経済交流促進協議会)常務理事事務局長。11年北東アジア学会理事。金沢市出身。64歳。

 

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