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北経随想|アジア随想

もてなしの輪を広げよう 谷内家次守

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 能登半島、そして輪島が観光シーズンを迎えた。今年も多くの観光客に来ていただけるかと期待と不安が交錯する時期でもある。

 今春は好材料が生まれた。能越自動車道が石川県七尾市側でも延伸して開業。能登有料道路は無料化が実現し、「ふるさと紀行『のと里山海道』」に名を変えて再スタートを切った。道路網整備に加え、大型客船が寄港する輪島港マリンタウンや、能登空港を合わせて陸海空からの受け入れ態勢が整った。

 一昨年六月には「能登の里山里海」が先進国では初めての世界農業遺産に認定され、そのシンボル的存在として脚光を浴びているのが国指定名勝「白米(しろよね)の千枚田」だ。

 日本海を望む美しい棚田での田植え体験や結婚式のほか、ライトアップイベントの「あぜの万燈」や「あぜのきらめき」など景勝地ならではの多彩なイベントが行われている。

 中でも冬季開催の「あぜのきらめき」は圧巻。太陽光発電により充電、発光した二万個を超えるLED電球が闇夜にきらめき、あぜの美しい幾何学模様を浮かび上がらせた。

 訪れる観光客は右肩上がりで、昨年十一月から今年二月まで百日間行った前回は七万人を動員する人気ぶり。エコな照明を多数使ったイベントという特長からギネス世界記録として認められたことで注目度がさらに高まった。輪島での期間中の入り込み客数や宿泊者数が前年同期比でプラスになった。

 今後もきめ細かい誘客対策を進めながら「こころの故郷・輪島」を実感していただけるよう、心からのもてなしで迎えたい。

 昨年四月には観光ボランティアガイド「輪島あかり人」がスタート。ようこそ輪島へ、お待ちしていましたと、十七カ条からなる「おもてなしガイド憲章」も制定した。メンバーは旅館の経営者やフロント係、客室係をはじめ、主婦や公民館職員など多彩だ。

 「あんたどこから来たげね?」「輪島朝市はあっちの方やぞー」「楽しんでいくましやー」などと方言を交えて観光客の旅の思い出づくりのお手伝いをモットーにしている。「能登は優しや土までも−」の心を羅針盤として住民挙げてのもてなしの輪を広げることが大切と考えている。

 (石川県輪島市観光協会専務理事)

 やち・かずもり 1946(昭和21)年石川県輪島市生まれ。66年輪島高校卒、旧輪島市役所入庁。観光課長や福祉環境部長などを務め、2006年退職。09年に市観光協会専務理事に就任。

 

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