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北経随想|アジア随想

これからのアジア・ロシアと北陸 藤野文晤

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 二十一世紀は日本が太平洋依存型社会から重心を日本海にも移し、バランスよく発展していく潮目の時代だと思う。アジア中心の世界で日本は重要な地位を占める。さらに日本の中で日本海側地域の役割が重要となってくるだろう。日本海側のまん中という地理的に優位な場所に位置する北陸三県こそ、日本の主人公になるという気概が必要だ。

 二〇〇八年のリーマン・ショックで米国が衰退し、今や新興国が世界経済の推進力になった。今後、世界経済でアジアの果たす役割は大きい。ロシアを含め、極東は地下資源が豊富だ。例えばシベリア鉄道を利用した貨物の日本海航路の開拓など、可能性は無限にある。中国や韓国、台湾などアジア各国やロシアとの交流を進める上で、日本海側の地域が発展のカギを握るといっていいのではないか。

 北陸は中国やロシアとの輸出入貨物の物流拠点になり得る。東海北陸自動車道が全線開通し、二年後には北陸新幹線の開業が迫っている。船や飛行機の数はまだ足りないし物流自体は少ないが、伏木富山港や富山空港を含め、陸海空路をどう利用するか。船で運んだ荷物を名古屋に運ぶといった国内の輸送ルートを開拓し、輸送網をつくる必要がある。

 アジアやロシアと関係をつくるうえで、避けて通れないのが歴史問題だ。この時期に靖国問題で中国や韓国との関係が悪化することは悲劇だ。戦後、日本は領土問題を含めた歴史問題を米国との関係で決めてきた。これからは日本独自の政治外交で解決しなくてはいけない。そうしないとアジアの中で日本という国の立場がなくなってしまうだろう。一日も早く話し合いで解決し、全ての国と自由に付き合う自主独立国としての地位を確立しなくてはいけない。

 富山県はかつて、日本海を中心に南北を逆転させた「逆さ地図」を作った。この地図には、北陸が日本の中心となるという理念が込められている。その思いを現実にすべき時が来ていると思う。

 (環日本海経済交流センター長)

 ふじの・ふみあき 1937(昭和12)年、広島市出身。大阪外国語大卒。59年に伊藤忠商事に入社。常務取締役、中国研究所長などを経て2004年から環日本海経済交流センター長。伊藤忠商事理事。76歳。

 

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