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北経随想|アジア随想

良きライバル 谷端信夫

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 組子を使った欄間や書院障子を製造し、九割近くをインターネットで販売しています。本格的な海外進出を視野に、五年後には売り上げに占める海外割合が二〜三割を目指しています。

 これまで香港やドバイの飲食店でも空間を演出してきましたが、今年五月、ニューヨークで開かれた国際現代家具見本市に初めて出展し、北米の人々に商品を手に取ってもらう機会を持てました。

 日本からはタニハタを含む十数社が出展。たまたま隣のブースが京都で茶筒を作っている会社でした。サイズが小さく、見た目が非常にシンプルで、内心「勝った」と思ったのですが、その会社は初日、優秀な商材に贈られる賞を受けました。

 受賞理由は、ふたを閉める際、手に伝わってくる感触の心地よさ。目には見えない職人の心意気がニューヨークで高く評価されたことは、私にとってもうれしい驚きでした。

 自社の組子にも新鮮な反応が寄せられました。北米は素材をレーザーカットするのが主流なので焼け跡が残るし、深く彫れない。一緒に持って行ったカンナも注目され、さすがDIY(do−it−yourself)の精神や、ホームセンターを生んだ国だと感心しました。

 海外拡大を目指す中で、尖閣諸島や竹島をめぐる中国・韓国との外交問題が持ち上がりました。上海との商談がなくなるなど、影響がゼロというわけにはいきませんでした。

 思い出すのは昨年、韓国・ソウルに格子の作家を訪ねた時のこと。小さな工場で汗を流す職人の姿から「自国の文化を発展させたい」という強い気概を感じました。作家のセンスも素晴らしく、自宅まで見せてもらうなど貴重な経験でした。

 日韓は中国文化の影響を受けつつも、日本は格子が室内につくる影に凝るなど繊細。韓国は大胆なデザインで勝負しており、独自に発展しました。

 政治の話にとやかく言える立場ではありませんが、互いの文化や歴史を尊重しながら、これからも良きライバルとして競い合っていきたいと思います。

 (タニハタ社長)

 たにはた・のぶお 1966(昭和41)年、富山市生まれ。立正大経営学部卒。東京の建材メーカーの営業職を経て92年、父である故敏夫さんが創業したタニハタに入社、職人として5年間修業。2003年から社長。従業員は14人。

 

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