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社長を語る

goowa(金沢市) 中条忍社長(35) 独学ITでソフト開発

西川専務(右)と打ち合わせする中条社長=金沢市で

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 写実的なコンピューターグラフィックス(CG)で、実際の風景に溶け込んだ建物の完成予想図や、現実世界の雰囲気を大切にしたゲーム映像を作り上げる。現代風のIT企業に見えるが、社会に出てから独学で技術を習得しつつ、挫折を繰り返しながら今の業態にたどりついた。

 一九九二年に石川県の高校を卒業して土木建築会社に入社し、過酷な現場を何度も体験した。数年後、「ウィンドウズ95」や「98」が登場し、個人にコンピューターが普及し始める。漠然と、パソコンに関係した仕事が増えるのではないかと思い始めた。

 「ホームページを作りたいんです」。九七年、石川県加賀市のインターネット関連企業に飛び込み入社。ホームページ制作の基礎やCG技術を学んだ。五年後に別の企業に移り、ネット販売のページ作りも担当した。

 次第に、自ら会社を起こし、ホームページ制作を請け負いたいと思うように。「やりたいことがあるなら、自分で会社をやったらいいよ」。知り合いの経営者に背中を押され、二〇〇九年六月、西川由一専務(32)を誘って起業した。

 「きれいごとじゃなく、とにかく稼がないと」。婚約していたため力んだが、駆け出し期は世間からの信用などなく、収入はわずか。結婚しても、夫人に「給料は?」と言われたくないから、顔を合わせないよう深夜に帰宅する日々。参考図書の購入すら見送らざるをえなかった。

 しかし、一〇年に開発したスマートフォン(多機能携帯電話)向けソフト「兼六心音(ことね)」が、石川県の「e−メッセ金沢2011」で最優秀賞を受賞。兼六園の庭園を写実的なCG動画で表現した。「野性のカンというか、スマートフォンが来るんじゃないか、と思って」

 スマートフォン用ソフトの開発事業は軌道に乗った。企業にインターネット戦略をアドバイスするコンサルタント業務も増え、一一年は六十件の依頼があった。

 「ようやく、夜中に帰らなくてもよくなった」と余裕も生まれてきた。「波瀾(はらん)万丈だったから、いつか会社を後進に譲って、南の島でのんびりできたらいいな」と言うが、開発中のスマートフォン用ゲームの構想を熱心に語る。忙しい日々はまだ続きそうだ。 (吉田通夫)

 goowa(グーワ) 2009年6月に創業したITベンチャー。ホームページ、CG、動画の制作、ソフト開発、ウェブコンサルティングを手掛ける。社員は中条社長を含め5人。

 

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