トップ > 北陸中日新聞から > 北陸けいざい > 社長を語る > 記事

ここから本文

社長を語る

冨士交通(金沢市) 岩田修社長(59) 「断トツの接客」続けて

「断トツのサービスで勝負したい」と話す岩田社長=金沢市の冨士交通で

写真

 一月発表の「第二十一回プロが選ぶ優良観光バス30選」(旅行新聞新社主催)に北陸三県から唯一選ばれた。入選は十二年連続。「断トツの接客サービスを、と努力を続けた結果です」と胸を張る。

 大学卒業後に旅行会社で添乗員を経験。全国の観光バスに乗って「運転手のサービスがいい会社と悪い会社は肌で感じた」。旅先では、ツアー客の要望でトイレ休憩を頻繁にとることや、予定外の観光施設への立ち寄りを頼むことが多いが、「バス会社によっては露骨に嫌な顔をする運転手が少なくない。心付け(チップ)を渡してようやく聞き入れてもらっていた」と振り返る。

 三十三歳で社長になってからは、この点にメスを入れた。多少の予定変更や無理もノーチップで快く引き受けるよう、二十数人いる運転手に徹底。バス内にもステッカーを貼って「真心のサービス」をアピールした。

 二〇〇〇年に貸し切りバス事業の新規参入規制が緩和されたため、「他社との違いを出さないと生き残れない」との危機感から、サービス改善に拍車をかけた。接客術の向上を図るため専門講師を呼んでマナー講習会を開いた。高齢者や障害者への接客も改善しようと、車いすの操作法を学ばせるため老人ホームで研修も開いた。

 運転手が確実に実践しているかを見るため、取引先の旅行会社に聞き取り調査を実施。給料の一部に歩合制を導入し、サービス向上を促した。追突事故を防止するブレーキシステムを備えた新型車を業界に先駆けて導入して、安全も強化した。

 全国の貸し切りバス会社はここ二十年で三倍の四千三百社に増える一方、市場規模は半分ほどに低下。競争は激しいが、ツアー客からは「また利用したい」という礼状もしばしば届く。「『選ばれる会社』を目指して、四十人の社員と努力する過程が楽しい。これを続けていれば会社がつぶれることはない」と、前へ進み続ける。

 (網信明)

 冨士交通 1960年にタクシー会社として設立、65年に貸し切りバス事業に参入した。バスのボディーに描いたカラフルなシャボン玉は「夢のある旅行をしてもらいたい」との願いが込められている。2011年6月期の売上高は約5億円。

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索