トップ > 北陸中日新聞から > 北陸けいざい > 社長を語る > 記事

ここから本文

社長を語る

アルハ(金沢市) 荻野永策社長(32) 強み生かし苦境を克服

「利益最大化に向けたマーケティング戦略を提案したい」と語る荻野社長=金沢市のアルハ本社で

写真

 「本当に起業して良かったのか」。自問する日々が続いた。企業のマーケティング戦略を企画立案するアルハ。荻野永策社長は価格競争に苦しんでいた三年前を振り返る。当時はホームページ制作など下請けの仕事が中心。「先行きの不安にかられ、がむしゃらに働いたが、利益は減る一方だった」

 二〇〇三年に金沢工業大院を修了後、知人と四人でITソフト開発ベンチャーを設立。同期は大手企業に就職を決めていた。自分にも推薦の話はあったが「大学で六年学んだことが、どこまで社会で通用するのかを確かめたい」と決断した。

 最初のヒットは〇五年、携帯電話のQR(二次元)コード読み取り機能を利用した販売促進システム。北陸では競合が少なく、小売業者らから注文が舞い込んだ。だがIT業界の技術革新のスピードは速い。まもなく類似のサービスが登場し、価格はじりじり低下。下請けの仕事も差別化の余地がなく、行き詰まりを感じた。

 「原因ははっきりしている。泥沼の価格競争から脱するには、自らの“強み”を最大限に発揮できる分野に経営資源を集中するしかない」。大学で磨いた理系的センスで、顧客獲得の費用対効果を分析する仕組みの開発に没頭した。

 〇八年、その集大成としてマーケティング戦略の総合サービス「スリー・ビュー」を開始。利益最大化の目的のため、どのような戦略や戦術を選択するのが最も効果的かを具体化するノウハウを体系化した。成功事例を踏まえて保険代理店、リフォームなど業種別の仕組みも充実させた。

 例えば保険代理店には「未来年表」と名付けた、家族構成に基づく将来の出費の試算表を提案。何年後に、どれだけお金が必要かがひと目で分かり「契約率が格段に上がったと評判は上々」という。

 「やみくもに営業していても実績につながらない。あの時、危機的状況に陥った自らの経験を生かせている」。逆境を乗り越えた今、目指すべき方向に着実に進み始めたと手応えを感じている。

  (瀬戸勝之)

 

この記事を印刷する

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索