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社長を語る

アイパブリッシング(金沢市) 福島健一郎社長(40) アプリ開発世界に挑む

「iPhone」と多機能端末「iPad」の電子書籍アプリを紹介する福島社長=金沢市で

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 「決まりきった仕事を延々と続けることに限界を感じていたし、新しいサービスをつくりたかった」。二〇〇八年に、ソフトウエア開発の技術者として十二年間勤めた会社を辞め、独立。結婚していたが迷いはなかった。

 最初に手がけたのは、漫画のネット通販。もともと漫画が好きで、偶然にも妻の実家は漫画専門の書店だったので、手伝い半分だった。

 そんな折、発売されたばかりだった米アップル社のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」に引き寄せられた。アップル社のサイトを通じて、世界中に日本の漫画を売れる。「すごいじゃないか!」

 〇九年に、会社員当時に知り合ったプログラマーと二人で、アイフォーンのアプリケーション(応用ソフト)を開発する「アイパブリッシング」を立ち上げた。作家と契約して独自の漫画を世界に配信するアプリ「J−MANGA」を作成。世界各国から反響はあったが、食べていける利益がすぐ上がるほど商売は甘くない。専門学校で情報処理の講師をするなどして食いつないだ。

 そして、一〇年に開発した「キャラカメラ」が注目を集める。アイフォーンのカメラを特定の場所に向けると、画面にアニメキャラクターが出現し、会話できる。現実世界と仮想空間を共存させる「AR(拡張現実)」という技術だ。

 アイフォーンの普及に伴い「金沢に面白いアプリを作る会社があるらしい」と口コミで広がった。石川県や金沢市中心部の商店街から観光ガイドを受注したり、同県小松市向けには、アイフォーンのカメラで映し出した画面内に登場したキャラクターが、名所を説明するアプリを開発。売り上げも伸びた。

 今も、社員は自身を含めて三人だけだが、開発や制作は担当者に任せて営業に飛び回る。「自分が開発に携わると、営業がおろそかになる。人数が少ないのだから一人一人が役割を最大限に発揮しないと」。少数精鋭で群雄割拠の市場に挑む。

  (吉田通夫)

 

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