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社長を語る

コープいしかわ(石川県白山市) 横山和男理事長(59) 不祥事糧に組織成長

「安心食品にこだわる」がモットーのコープいしかわの横山和男理事長

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 生協マン人生で最大の転機は、石川生協(当時)に入社十年目の一九八七年。経営トップの専務理事の不祥事が発覚したことだ。組合員中心主義という生協の理念に立ち返るきっかけになった。

 専務は工事業者からリベートを受け取り、商品の仕入れ先などから過度な接待を受けていた。新聞に大きく取り上げられ、組合員から猛烈な批判が巻き起こる。やがて辞任。「生協が全国的に急成長していた時期で、チヤホヤされる誘惑に負けてしまったのだろう」と推し量る。

 当時、専務に次ぐ常務理事の立場にいた。だが、創業から関わりワンマン体制を敷いていた専務の行為は見抜けなかった。ほとんど経営にタッチしていなかったが、組合員に頭を下げ、批判の矢面に立った。

 長い時は二時間も延々と抗議を受けた。「悔しい」「情けない」と嘆き、涙を流す人もいた。でも逆に、生協に対する母親たちの期待を再確認することにもなった。「もう一回、一緒にやりましょう」。そう言ってくれる人がほとんどだった。

 そして九〇年、専務理事に就任する。「組合員を裏切ることは二度としない」。そう心に誓った。契約は顧問弁護士を、会計文書は監査法人をすべて通すようにした。企業なら当たり前のことでも、石川生協ではそうではなかった。

 苦しかったのは、組織内でトップの信頼が無くなっていたことだ。口には出さないが、専務の悪事を見た組合員や職員には、トップは何か悪いことをしているものだという雰囲気があった。心を砕いたのは悪いことも含めて情報を共有する姿勢と、組合員を大事にする職員の育成だ。負の遺産を清算するのに十年かかった。

 二〇〇〇年には合併でコープいしかわを発足させ、軌道に乗せた。目指すは石川県全世帯の50%を組合員にすること。さらに県内全域へ同じ配送料で届けることを目標に掲げる。

 「能登はコストを考えれば難しい。だけど、組合員ならどこでも同じ値段で届ける」。それを生協の使命だと思っている。

  (大島康介)

 

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