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北陸経済ニュース

高齢親の財産 子ら管理 「民事信託」地銀が支援

北国銀 ローン商品新設

北陸銀 需要動向を注視

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 北陸の地方銀行が、「民事信託」と呼ばれる財産管理の新たな手法を支援するサービスに乗りだした。北国銀行(金沢市)は今月、北陸三県の地域金融機関で初めてローン商品をつくり、所有者が家族へ管理を託したアパートなどの修繕資金の融資を開始。北陸銀行(富山市)は相談対応などを始めた。高齢社会の進展で高まる財産の管理・承継の需要を取り込み、収益向上につなげる。 (平野誠也)

 民事信託は現金や土地、建物などの財産を持つ人が信託銀行や信託会社でなく信頼できる個人や法人と契約して管理や活用、処分を任せる仕組み。財産の持ち主が家族や親族と契約する場合は「家族信託」と呼ばれる。例えば、賃貸マンションを所有する高齢の親が子に任せれば、子が賃貸借や修繕、売却の手続きをすることができる。契約で定めれば親が引き続き家賃収入を得られる。

 家族信託の場合、認知症などで判断能力が低下する前に親族に任せられるメリットがある。信託銀行などに任せる場合と異なり、親族に報酬を支払う必要もなく、高齢者の利用増が見込まれている。金融機関にとっては本業の貸し出しによる収益が振るわない中、手数料収入の上積みや資金需要の開拓を図ろうと民事信託を提案、支援する動きが相次いでいる。

 北国銀の商品は「民事信託対応型アパートローン」。家族信託で賃貸不動産の管理を任された家族向けに、大規模修繕に使う資金の取り扱いを始めた。民事信託のサービスを始めたのが昨年十月で、ローンを用意することで対応を強化した。

 同行はコンサルティング課のチームが家族信託の相談を受け付け、家族らへの助言役となる司法書士や税理士を紹介し、財産管理に必要な専用の預金口座開設に応じている。信託契約が成立すれば、紹介した専門家に支払われるお金の一部を受け取る。これまでに相談は五十件を超え、複数のケースで成約した。担当者は「高齢化で認知症のリスクは高まっており、民事信託のニーズはさらに増えるだろう」と見込む。

 北陸銀は昨年夏ごろから、金融サービス部の専門チームが相談や専門家の紹介、口座開設を引き受けている。担当者は実務に精通した専門家の育成や制度の認知度向上には時間がかかるとみている。民事信託の需要動向に注目し、民事信託を含めた財産管理に「積極的に対応したい」と話している。

 民事信託 財産を持つ人(委託者)が自分や家族ら(受益者)のための財産管理を、信頼できる相手(受託者)と契約して託すこと。信託制度は従来、信託銀行などに報酬を支払う「商事信託」が主流だった。2007年の改正信託法施行で規制緩和され、無報酬で管理する非営利目的なら家族間でも活用できるようになった。財産保護が目的の成年後見制度と比べ、管理や処分の自由度が高いのが特徴。全国の地域金融機関では広島銀行(広島市)や常陽銀行(水戸市)、西武信用金庫(東京)などがサービスを手掛けている。

 

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